腹斜筋の基本情報、効果的に鍛えるための3つのポイント、集中的に鍛えることができる5種目、トレーニングメニュー

腹斜筋 腹筋

腹筋を鍛えてシックスパックが浮かび上がってきたものの、思っていたのと違うと思った経験は誰しもあると思います。特にもともと痩せていた人や背が高い人は腹直筋だけが浮き出ていて不格好になってしまうことがよくあります。

そこで腹斜筋に着目することでその問題をクリアにすることができるかもしれません。

ここでは、腹斜筋の基本情報、効果的に鍛えるための3つのポイント、集中的に鍛えることができる5種目、トレーニングメニューを紹介しています。

ぜひ、参考にしてみてください。

1.腹斜筋の基本情報

最初に腹斜筋の基本情報をおさえておきましょう。

1ー1.外腹斜筋の位置・はたらき

腹斜筋
外腹斜筋は肋骨の前側から腹直筋や骨盤(腸骨)までついている筋肉です。外腹斜筋は背骨を前側に曲げるはたらき(体幹部の屈曲)や横に曲げるはたらき(体幹部の側屈)、胴体を捻る(体幹部の回旋)はたらきを持っています。

その他にも外腹斜筋は腹圧を高めたり内臓の位置を正しい位置に移したり、息を吐く動作に関与したりするはたらきも持っています。

1ー2.内腹斜筋の位置・はたらき

内斜筋
内腹斜筋は骨盤(腸骨)から腹直筋や肋骨の前側までついている外腹斜筋に覆われている筋肉です。
内腹斜筋は外腹斜筋同様、背骨を前側に曲げるはたらき(体幹部の屈曲)や横に曲げるはたらき(体幹部の側屈)、胴体を捻る(体幹部の回旋)はたらきを持っています。

その他にも内腹斜筋は腹圧を高めたり内臓の位置を正しい位置に移したり、息を吐く動作に関与したりするはたらきも持っています。

2.腹斜筋を効果的に鍛えるための3つのポイント

腹斜筋の基本情報をおさえたうえで次は腹斜筋を効果的に鍛えるための3つのポイントを紹介します。

2ー1.アイソメトリクス種目とアイソトニック種目を組み合わせて行う

腹斜筋群
腹斜筋群を鍛えるときはアイソメトリクス種目とアイソトニック種目の両方を行うようにしましょう。アイソメトリクス種目とは筋肉の長さを同じ状態にキープし続けることで筋肉を鍛える種目のことをいいます。空気イスやプランクなどがアイソメトリクス種目の代表的な種目です。

それに対し、アイソトニック種目とは一定の負荷に対して筋肉が伸び縮みすることで筋肉を鍛える種目のことをいいます。大抵のフリーウエイト種目やマシン種目はアイソトニック種目に当たります。

腹斜筋の種目でよくアイソメトリクス種目のみがよく紹介されるのですが、アイソメトリクス種目だけでは筋肉の損傷を起こしづらいので筋力の向上はできても筋肥大は難しいという研究結果が出ています。(下代ほか、2017)なので、アイソトニック種目も並行して行うことで腹斜筋の筋肥大を狙うことができます。

よく、スクワットやデッドリフトをしているので腹筋運動は必要ないということを言う人がいますが、個人的には反対です。なぜなら、私の指導経験上スクワットやデッドリフトをやり込んで他の腹筋運動を一切しなかった人は腹斜筋があるところの筋肉の張りがあまりないことが多かったからです。

特にもともと痩せ型の人や背が高い人は腹斜筋のところに筋肉があまりついていないので、アイソメトリクス種目だけでなくアイソトニック種目も並行して行い筋肉量を増やすようにしましょう。

2ー2.あばらと骨盤に距離感を掴む

あばら

腹斜筋群を鍛えるときはあばらと骨盤との距離感を掴むと効果的なトレーニングができます。腹斜筋群は筋肉の走行の向きは違えどあばらから骨盤まで筋肉がついています。体幹部の屈曲や側屈をするとき、あばらと骨盤との距離感を掴んでおくことで動作のイメージがつきやすくなります。

2ー3.呼吸を丁寧に行う

呼吸
腹斜筋群を効果的に鍛えるのであれば、呼吸を丁寧に行うようにしましょう。外腹斜筋は息を吐くときに活性化されるという特性を持っているので(石田ほか、2013)自重で行う種目のときは息を吐ききるようにしましょう。特にアイソメトリクス種目で自重種目と相性がいいのでおすすめです。

3.腹斜筋に焦点をあてて鍛えることができる種目

ここからは腹斜筋群に焦点をあてて鍛えることができる種目を紹介します。

3ー1.サイドブリッジ

サイドブリッジ

サイドブリッジは腹斜筋の側屈に抗うはたらきを利用したアイソメトリクス種目です。

特に、もともと痩せていた人や背の高い人は側屈に抗うことが苦手な傾向にあるのでサイドブリッジを行うことで胴体部のブレを軽減させることができます。胴体部のブレが軽減することで腕や脚への力の伝達がスムーズになりフリーウエイト種目で高重量を扱うことができるようになります。方法は以下のとおりです。

①上から見て耳の穴、肩、股関節、膝、くるぶしが一直線上に来るように横になる
②足首を90度に固定し下側の肩の真下の肘を置く
③息を吸い込み骨盤を上に持ち上げる
④上側の手を腰に置き、へその向きを真横に向ける
⑤口をすぼめて息を吐き続ける

サイドブリッジは40秒間行いましょう。骨盤を持ち上げている間、息を吐き続けているので強度は十分です。左右1セットずつ行いましょう。

3ー2.スーツケースデッドリフト


スーツケースデッドリフトは腹斜筋の回旋に抗うはたらきを利用した腹斜筋のアイソメトリクス種目です。片方の手でのみダンベルを持ってデッドリフトを行うので、ダンベルを持っている側のほうに胴体部が回旋しようとします。それに抗う形で通常のデッドリフトと同じように行うのがスーツケースデッドリフトです。方法は以下のとおりです。

①右手(左手)でダンベルを持ち、まっすぐ立つ
②通常のデッドリフトと同じように上体を倒して股関節を後ろに引く
③上体の角度が床から30度になったら動作を切り返す
④直立の状態に戻る

スーツケースデッドリフトの適切な回数・セット数

スーツケースデッドリフトはあくまでも腹筋を鍛えるための種目です。1セットの回数は可動域と筋肉の緊張時間を考慮して15回に設定しましょう。セット数は片方1セットずつでも十分効果があります。

3ー3.ツイスティングシットアップ

ツイスティングシットアップ
ツイスティングシットアップはもっともオーソドックスな形で行う腹斜筋のアイソトニック種目です。シットアップに捻りを加えて行い、腹斜筋群を収縮させることで筋肉に刺激を与えます。フィニッシュしたときに向いている側の腹斜筋に刺激が入っています。方法は以下のとおりです。

①腹筋台に座り膝を曲げた状態で脚を固定する
②背中と後頭部をパッドにつける
③両手で後頭部をおさえて肘が顔のとなりにくるようにする
④上体を起こしながら右(左)肘と左(右)膝を近づける
⑤右(左)肘が左(右)膝にタッチしたら上体をゆっくり下ろす

ツイスティングシットアップの適切な回数・セット数

ツイスティングシットアップの1セットの回数は可動域と筋肉の緊張時間を考慮して15回に設定しましょう。利かせることを重視して片方を連続で行う方法をおすすめします。片方ずつ行うので合計2セット行うようにしましょう。自重だけだとすぐ物足りなくなると思うのでプレートの上に後頭部を載せる形で負荷を加えていきましょう。

3ー4.ツイスティングレッグレイズ

ツイスティングレッグレイズ
ツイスティングレッグレイズは腹斜筋群に強烈な刺激を与えることができるアイソトニック種目です。捻りを加えない通常のマシンで行うレッグレイズでもツイスティングシットアップよりも強い刺激を与えることができることがわかっています。(半田ほか、2009)そこからさらに捻りを加えることでより強い刺激を与えることができます。方法は以下のとおりです。

①レッグレイズマシンのパッドに前腕を置く
②背パッドに腰をつける
③息を吸い込んでから足の側面をつけた状態で脚を持ち上げる
④脚を持ち上げながら右(左)側のあばらと骨盤の距離を詰める
⑤足首がへそと同じ高さになるまで来るまで挙げる
⑥息を吸い腹筋に力を入れながら脚を下ろしていく

ツイスティングレッグレイズを行うとき脚は軽く曲げて行いましょう。脚の曲げる角度で負荷が変わり、足を伸ばせば伸ばすほど強度が強くなっていきます。最初は膝を90度に曲げて行い、自分に合った付加になるように膝の角度を調節しましょう。

ツイスティングレッグレイズの適切な回数・セット数

ツイスティングレッグレイズの1セットの回数は10回に設定しましょう。レッグレイズは可動域が大きく動作自体も難しいので正確な動作で10回行うようにしましょう。セットは片方ずつ行い、合計2セットになるよう設定しましょう。

3ー5.サイドベンド

サイドベンド
サイドベンドも腹斜筋を集中的に鍛えることができる昔ながらのアイソトニック種目です。片方の手でダンベルを持ち、もう片方の手は頭の後ろに置いて肘を持ち上げてからあばらと骨盤との距離を詰めることで腹斜筋を収縮させて刺激を与えます。方法は以下のとおりです。

①右手にダンベルを持ち、まっすぐ立つ
②左手は頭の後ろに置いて肘を耳の高さまで持ち上げる
③左肘を耳よりも上に持ち上げて左側のみぞおちと骨盤を離すようにする
④息を吐きながら肘を脇腹に突き刺すようにしてみぞおちと骨盤との距離を詰める
⑤腹筋に力を入れたまま②の状態に戻る

サイドベンドの適切な回数・セット数

サイドベンドの1セットの回数は20回に設定しましょう。サイドベンドは可動域がかなり狭いので回数を多くすることで緊張時間を稼ぎます。セット数は片方2セットずつの合計4セット行うようにしましょう。

3ー6.トーソローテーション(ロータリートーソ)

腹斜筋を鍛える種目候補で浮上してくる種目のうちの1つがトーソローテーションです。トーソローテーションは、シ-トに座りパッドを胸に付けて胴体部を回旋させることで腹斜筋を鍛えるマシン種目です。個人的な意見ですが、トーソローテーションを腹斜筋を鍛える種目としてはおすすめしません。

トーソローテーションをおすすめしない理由は2つあります。まず1つ目の理由は負荷を上げれば上げるほど腹斜筋への負荷が減ってしまう可能性が高い種目だからです。トーソローテーションは胴体部の回旋だけで腹斜筋に刺激を入れたい種目なのですが、負荷を上げるとどうしても脚の力を使ってしまいます。当然脚の力を使ってしまうことで腹斜筋への刺激が減ってしまいます。これだと筋肥大狙いのトレーニングが難しくなります。

もう1つの理由はトーソローテーションのような胴体部の回旋だけの種目よりも胴体部の屈曲を伴う他の種目のほうが腹斜筋への刺激が強いと私が感じるからです。回旋のみのトーソローテーションを行うよりも回旋だけでなく屈曲を伴うツイスティングシットアップやツイスティングレッグレイズを行うようにしましょう。

4.腹斜筋を集中的に鍛えることができるトレーニングメニュー例

メニュー
ここからは腹斜筋を集中的に鍛えることができるトレーニングメニュー例を紹介します。

サイドブリッジ 40秒 1セットずつ
スーツケースデッドリフト 15回 1セットずつ
ドラゴンフラッグ 5回 5セット
ツイスティングシットアップ 15回 1セットずつ
(orツイスティングレッグレイズ 10回 1セットずつ)
サイドベンド 20回 2セットずつ

このメニューはスクワットやデッドリフトといった全身を鍛えるフリーウエイト種目を行っていない想定で組んでいます。もし、スクワットやデッドリフトといった高重量のトレーニングを同じ日に行っているのであればサイドブリッジとスーツケースデッドリフトは省きます。

腹斜筋だけ鍛えて腹直筋を鍛えないということはまずないので、ドラゴンフラッグで胴体部全体に刺激を与えてから腹斜筋メインの種目を行います。ツイスティングシットアップかツイスティングレッグレイズを行ってから締めの種目としてサイドベンドを行います。

ドラゴンフラッグについて知りたい方はドラゴンフラッグの記事を参考にしてみてください。

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腹筋をつくる近道として扱われることが多いドラゴンフラッグですが、その割にはまわりで実際にしている人はあまりいない謎な種目。この記事では、ドラゴンフラッグの基本情報、理想的な動作、鍛えることができる部位、3つの注意点を紹介しています。

まとめ

私は身長が高く痩せていたので、腹直筋だけが浮き出ていてもそういうものだと思っていた時期がありました。あるとき、腹斜筋の着目して鍛えてからどっしりとした下腹部を手に入れることができるようになりました。

痩せている人、身長が高い人は特に腹斜筋群をしっかり鍛えましょう。応援しています。

参考文献
1)下代昇平 谷本道哉 体幹トレーニングおよび各種運動時の腹腔内圧の変化動態と体幹筋群の筋活動の関係 2017
2)石井弘 渡辺進 サイドブリッジ時の最大呼気併用が腹部筋活動に及ぼす影響 2013
3)半田徹 加藤浩人 腹部トレーニング7種目における腹直筋上部、腹直筋下部、外腹斜筋および大腿直筋の筋電図学的研究 2009

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