大きく丸い肩を作るのに欠かせない!?アーノルドプレスを行うメリットから正しいフォームや効かせ方、ダンベルショルダープレスとの違いまで徹底解説!

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今回は肩のトレーニング種目であるアーノルドプレスに関して解説していきます。『名前は聞いたことがあるけれど実際に試したことがない』もしくは『試してみたけど効いているかイマイチわからない』という方のためにアーノルドプレスを行うメリットと正しいフォームや効かせ方のコツまで徹底的に解説していきます。
アーノルドプレスをマスターし、大きくて丸い肩を手に入れましょう!

1.アーノルドプレスとは?アーノルドプレスの基本情報

アーノルドプレスの基本情報アーノルドプレスとは、手首の回旋運動を行いながらダンベルを頭上に持ち上げることで肩を鍛える種目です。
これは有名な話ですが、アーノルド・シュワルツェネッガー氏が現役時代に好んで行っていたた、この名前が付けられています。

まずはアーノルドプレスの基本的な情報に関して説明していきます。

1-1.肘関節と肩関節を動員するコンパウンド種目

肘関節と肩関節を動員するコンパウンド種目トレーニング種目には一つの関節だけが動くアイソレーション(単関節)種目と複数の関節を使用するコンパウンド(多関節)種目があります。
そしてアーノルドプレスでは、動作時に肩関節だけではなく肘関節も動員されるコンパウンド種目です。

一般的に、トレーニング初心者の方はコンパウンド種目をメインで行うのが良いとされています。
なぜなら、関節が多く動員されるということにより関与する筋肉が増えるからです。
コンパウンド種目はフォームが複雑になるという課題もありますが、その分神経系の発達が促進され、効率よく筋肥大をすることができます

1-2.高重量を扱えるミッドレンジ種目

高重量を扱えるミッドレンジ種目トレーニング種目は全てPOF法(Position of flexion)に分類することができます。
POF法とはどの位置で筋肉に対して最も負荷がかかるか、3分割(動作の中間で負荷がかかるミッドレンジ種目、筋肉が収縮時に最も負荷がかかる収縮種目、ストレッチ時に最も負荷がかかるストレッチ種目)に分ける方法です。

そしてアーノルドプレスはこのうちミッドレンジ種目に該当します。ミッドレンジ種目とは、先ほど軽く説明したように可動域の中間で最も負荷がかかる種目のことを指します。

ミッドレンジ種目の代表例としては、ベンチプレスが挙げられます。ベンチプレス行ったことをある方は多いと思いますが、上がるか上がらないか瀬戸際の場所(スティッキングポイント)がありますよね。
実はベンチプレスではあの瞬間が一番筋肉に対して負荷がかかっており、アーノルドプレスでも同じ場所で最も筋肉に負荷が乗ります。

そしてこれは後ほど詳しく説明しますが、アーノルドプレスは動作の性質上ミッドレンジだけではなく収縮・ストレッチ時にもしっかりと負荷をかけることができます。

2.アーノルドプレスで鍛えられる筋肉

アーノルドプレスで鍛えられる筋肉アーノルドプレスでは肩の筋肉が鍛えられますが、その中でも特にどの部位が鍛えられるのか、そしてその筋肉の特徴まで紹介していきます。

2-1.三角筋前部

三角筋前部肩の筋肉は三角筋と呼ばれ、上の図のように前部(Anterior deltoid=赤)、中部(Lateral deltoid=紫)、後部(Posterior deltoid)の三箇所に分類することができます。

そしてこのうち、まずアーノルドプレスで鍛えられるのは三角筋前部(赤く塗られた部分)です。
三角筋前部は鎖骨外側1/3の位置から上腕骨まで付着しており、この両端を近づけたり(収縮)遠ざける(ストレッチ)ことにより鍛えることができます。

三角筋前部の役割としては、主に肩関節の屈曲、内旋です。
このうちわかりやすいのは肩関節の屈曲です。これは体側にセットした腕を水平まで上げる動作で、三角筋前部の代表的トレーニング種目であるフロントレイズの動きと同じです。

しかしアーノルドプレスでは、この屈曲動作よりも肩関節の内旋により三角筋前部が使用されています。

肩関節の内旋とは、小さく前習えをした状態で肘から先を内側に閉じる動作です。
言葉だと少しわかりづらいですが、実際にこの動きを試してみると三角筋前部に力が入るのがわかるはずです。

2-2.三角筋中部

三角筋中部アーノルドプレスでは、三角筋中部(「2-1.三角筋前部」内の図内、紫で塗られた部分)も鍛えることができます。
三角筋中部は肩峰から上腕骨まで付着しています。
肩の中でも真横についているため、発達させることで男らしい肩幅を手に入れることができます。

三角筋中部の主な役割は肩関節の外転です。
肩関節の外転とは、腕を真横に挙げる動作=サイドレイズと同じです。
アーノルドプレスでも、肘が肩の真横にある状態で上下運動が行われるため、この外転動作が行われます。

また、面白いことに三角筋は前部と後部は平行筋(筋繊維が平行に並んでいるため収縮スピードは早いがパワーが弱い)ですが中部は羽状筋(筋繊維が斜めに並んでいるため収縮スピードは遅いがパワーが強い)という特徴を持っています。

そして三角筋中部は高重量、低レップでトレーニングを行うことで筋肥大に効果的という研究結果が明らかになっているため、高重量でアーノルドプレスを行うことで三角筋中部を効率よく発達させることができます。※1

3.アーノルドプレスとダンベルショルダープレスの違い

アーノルドプレスとダンベルショルダープレスの違いアーノルドプレスとよく似たトレーニング種目で、ダンベルショルダープレスという種目があります。

どちらかというとダンベルショルダープレスのほうがメジャーな種目であり、ジムでもたくさんの方が行っています。そのため『わざわざアーノルドプレスを取り入れるメリットがわからない』という方も多いのではないでしょうか。

実はアーノルドプレスとダンベルショルダープレスは、動作こそ似ているものの全く違う種目です。
アーノルドプレスにはダンベルショルダープレスにない魅力がたくさんあるため、紹介していきます。

3-1.可動域が広い

可動域が広いアーノルドプレスとダンベルショルダープレスの明確な違いは、スタートポジションの位置です。
ダンベルショルダープレスはスタート時に手のひらが正面を向いた状態でダンベルを耳の横でセットしますが、
アーノルドプレスではスタート時に手の甲を正面に向けます。

そのため、ダンベルショルダープレスよりもダンベルの位置が下がった状態からスタートします。

つまり、アーノルドプレスではその分可動域が広くなるということです。
可動域が広いということは、三角筋前部へよりストレッチをかけることができます。

また、動作時に回旋運動が起こるため、ストレッチと収縮の両方で三角筋へ強い刺激を与えることができます。

第1章アーノルドプレスの基本情報で、ミッドレンジ種目でありながらストレッチ・収縮ともに負荷をかけることができると説明したのは、この動作に由来します。

3-2.三角筋中部で高重量を扱える種目

アーノルドプレスでは、三角筋前部だけではなく中部にも刺激を与えることができます。
そして先ほど三角筋中部は羽状筋のため高重量に反応する、とも述べました。

しかし、三角筋中部にピンポイントで効かせる種目には、高重量を扱えるものがほとんどありません。
三角筋中部で高重量を扱う代表的な種目としてはアップライトロウがありますが、動作時に肩関節・インナーマッスルへ強い負荷がかかるためあまりオススメできません。

そのため三角筋中部を筋肥大させるには、サイドレイズなどのレイズ系種目でボリュームを増やし対応する必要がありました。

そこでオススメなのがアーノルドプレスです。
アーノルドプレスはコンパウンド種目のため高重量を扱え、なおかつ肩関節の外転動作が起きるため三角筋中部いまでしっかりと効かせることができます

3-3.三角筋に長い間負荷をかけられる

三角筋に長い間負荷をかけられるアーノルドプレスとダンベルショルダープレスの動作を比較すると、ダンベルショルダープレスはダンベルが上下に移動するだけですが、アーノルドプレスでは一度回旋動作が入ります。

つまり、アーノルドプレスの方が動作に一手間加わるわけです。
そのため、動作時間が長くなります。

動作時間が長くなるとういうことは、三角筋に負荷がかかっている時間も長くなります。
筋肉に負荷が乗っている状態はTUT(Time under tention)と呼ばれます。

そしてTUTが長いことは筋肥大の要因として明らかにされています。
実際にTUTを長くしたトレーニングでは、短いトレーニングに比べて筋タンパク質合成レベルが上がったとの報告もあります。

つまり、アーノルドプレスはさまざまな要因から筋肥大に効果的な種目といえます。

3-4.アーノルドプレスは肩に新しい刺激を入れるのに最適な種目!

今まで見てきたように、アーノルドプレスには通常のショルダープレスに比べ、たくさんの魅力があります。

しかし、通常のショルダープレスよりも扱える重量は下がってしまいます。
また、三角筋中部に効かせることができる種目ではありますが、ピンポイントで三角筋中部へと効かせられるというわけでもありません。

つまり、アーノルドプレスは中途半端な立ち位置にいます。
そのためどのタイミングで取り入れればいいか、というのが悩みどころですよね。

そこで個人的にアーノルドプレスを取り入れるオススメなタイミングは、肩の発達がマンネリ化し、新しい刺激を入れたいと考えた時です。

普段は通常のショルダープレスで高重量を扱い、たまにアーノルドプレスで新しい刺激を加えることでマンネリ化を防ぐことができますので、ぜひ参考にしてみてください。

4.アーノルドプレスの正しいフォーム

アーノルドプレスの正しいフォームアーノルドプレスを行うメリットを理解できたところで、正しいフォームを解説していきます。

まずはセットの手順から見ていきましょう。

4-1.セットの手順

①ベンチを70〜80度でセットします。
②両手にダンベルを持ち、べンチに腰掛けます。

セットが出来たら、実際に動作の流れを説明します。

4-2.フォームの流れ

①ベンチにしっかりと腰掛け、胸を張る。
②ダンベルを膝の上に立て、蹴り上げる(オンザニーテクニック)
③手の甲を正面に向け、ダンベルを胸の前で構える。※ここがスタートポジション
④手首を外側に回旋しながら、ダンベルを真上にあげていく。
⑤手のひらが正面にくるようにしてダンベルを挙上する。※ここがフィニッシュポジション
⑥手首を内側に回旋しながらスタートポジションまで下ろしていく。

①〜⑥の動作を繰り返します。
アーノルドプレスは通常のショルダープレスに比べると動きが複雑なため、動作をイメージしづらいかもしれません。

参考動画を貼っておきますので、映像を見て動きをイメージしましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=OsTU24AJ7hs

続いて、各項目を細かく解説していきます。

①ベンチにしっかりと腰掛け、胸を張る。

アーノルドプレスではインクラインベンチで背もたれを利用するものや背もたれを使用しないもの、スタンディングで行うものがあります。

背もたれがない状態で行うことにより体幹部も鍛えられるという効果もありますが、まずは安定した状態で動作を行うためにも背もたれを利用しましょう。

ベンチの角度は70〜80度(直角から一つ分下げる)と説明しました。
たまに90度で行っている方もいますが、これでは背もたれで上体を支えることができないため、少しだけ傾斜をつけることをおススメします。

座る際は、しっかりと奥まで腰掛けるようにしましょう。
浅く座ってしまうとベンチと腰の間に隙間が空きすぎてしまい、腰への負担が強くなってしまいます。

また、上体に角度ができると大胸筋上部の関与も高まってしまいます。

②ダンベルを膝の上に立て、蹴り上げる(オンザニーテクニック)

ダンベルを両手に持った状態で、親指を上にして膝の上に立てセットします。
ここから膝を蹴り上げるようにしてダンベルを持ち上げていきます。
この方法をオンザニーテクニックといいます。

ダンベルを使った種目では、いかにスタートポジションまでスムーズに持ってくるかが大切となります。
無理やり持ち上げることで肩や肘のケガに繋がってしまうため、オンザニーはトレーニング初心者の方でもマスターする必要があります。

言葉だけですとわかりづらいので、参考動画を載せておきます。(動画内40〜45秒参照)
https://www.youtube.com/watch?v=LkY1mwyvIjQ

③手の甲を正面に向け、ダンベルを胸の前で構える。

オンザニーでダンベルを持ち上げたら、手の甲を正面にした状態でダンベルを胸の前で構えます。
イメージとしては、ダンベルカールのフィニッシュポジションです。

この時両手に持ったダンベルの距離の目安は肩幅です。
この距離が遠すぎたり、逆に近すぎないよう注意しましょう。

また、このスタートポジションではしっかりと三角筋前部がストレッチされていることを意識しましょう。

④手首を外側に回旋しながら、ダンベルを真上にあげていく。
⑤手のひらが正面にくるようにしてダンベルを挙上する。

④、⑤は一連の流れで繋がっているため、一緒に解説します。

スタートポジションでは手の甲を正面に向けますが挙上時に手首を回旋させ、フィニッシュポジションでは手のひらが正面を向くようにします。

スタート時とフィニッシュ時では、手の向きが180度変わるということです。

ちなみにフィニッシュポジションでは、通常のダンベルショルダープレス同様に肘が伸びきる直前を意識しましょう。

⑥手首を内側に回旋しながらスタートポジションまで下ろしていく。

フィニッシュ時にしっかりと三角筋を収縮させたら今度は挙上時の動きの反対、つまり正面に向いた手のひらを内側に回旋させてスタートポジションまで戻します。

ダンベルをおろす際は三角筋へのストレッチを意識しましょう。

5.アーノルドプレスでピンポイントで三角筋に効かせるポイントと注意点

アーノルドプレスでピンポイントで三角筋に効かせるポイントと注意点アーノルドプレスは、動作が複雑なため慣れるまでは練習が必要な種目です。
『試してみたけれどイマイチ効いてるかわからない』なんて方も多いのではないでしょうか。
そこでピンポイントで三角筋へ効かせるアーノルドプレスのコツと注意点を3つ解説していきます。

5-1.最大収縮・ストレッチを意識する

アーノルドプレスはミッドレンジ種目ですが、動作時に回旋が加わるため収縮・ストレッチも効かせることができる優れた種目です。

最大収縮は、フィニッシュポジションで行われます。
三角筋前部は鎖骨から上腕骨まで付着しているため、この2点を近づけることを意識しましょう。
イメージとしては左右のダンベルを頭上でくっつけるようにすることで、三角筋を収縮することができます。

5-2.ネガティブ動作を意識する

アーノルドプレスを行う際に挙上時の動作だけ意識して、戻す際に雑になってしまうのはよくあることです。
しかしこれでは効果が半減してしまいます。

ネガティブ時にも三角筋へしっかりと負荷が乗っているため、丁寧に戻していきましょう。
また、プレス時よりもゆっくりと負荷を感じながら戻すことで、より刺激を与えることができます

5-3.肘を伸ばしきらない

アーノルドプレスを行う際の注意点としては、フィニッシュ時に腕を伸ばしきらないことです。
これはダンベルショルダープレスでも同様なのですが、肘を伸ばしきることにより三角筋から負荷が抜けてしまう、肘関節へ負担がかかり怪我のリスクが高まる、などの問題が発生します。

肘は軽く曲げ、常に三角筋に負荷が乗っている状態で動作を行いましょう

6.アーノルドプレスの適正重量

アーノルドプレスを行う際に気をつけて頂きたいのが、正しい負荷設定です。
似た種目であるからという理由でダンベルショルダープレスと同じ重量で行ってしまうと、怪我のリスクが高まってしまいます。

アーノルドプレスは、基本的にダンベルショルダープレスよりも扱える重量が低下します。
ダンベルショルダープレスよりも動作が複雑でTUT(筋肉の緊張時間)も長いため、どうしても筋疲労が早くなってしまいます。

記事の冒頭で三角筋中部は羽状筋のため、高重量でアーノルドプレスを行うことで筋肥大に効果的だと述べました。
これはとにかく高重量を扱えばいい、というわけではなくあくまで自分で扱える重量の範囲内で負荷設定をしましょう。

目安としては、まずはダンベルショルダープレスの70〜80%ほどの重量設定にしてみてください。
例えばダンベルショルダープレスを普段20キロで行っている方は、14〜16キロでアーノルドプレスを行いましょう。

その重さで余裕であれば負荷を上げ、難しければ下げるようにして調節してください。

また、フォームがまだ固まっていない方はまずは低重量から行って効かせる感覚を掴みましょう。
軽い重量でも効いている感覚がわからない場合は、片手ずつ行うオルタネイトアーノルドプレスをオススメします。

片手ずつ行うことで、より動作に集中することができます。
また、この時にダンベルを持っていないほうの手で三角筋を触りながら動作を行うと、力の入り方を感じることができます。

7.まとめ

今回はアーノルドプレスの解説をしてきました。
ダンベルショルダープレスに比べるとマイナーな種目のため、今まで取り入れていなかった方も多いのではないでしょうか。
しかし、アーノルドプレスとダンベルショルダープレスは全く違う種目です。

アーノルドプレスには可動域が広い、三角筋中部に高重量で効かせられる、TUTが長いなどさまざまなメリットがあります。

ダンベルショルダープレスばかり行っており肩がなかなか発達しない、なんて方は新しい刺激を入れるためにも是非試してみてください。

アーノルドプレスをマスターし、大きく丸みのある肩を手に入れまましょう!

参考文献
※1. Low-Load Bench Press Training to Fatigue Results in Muscle Hypertrophy Similar to High-Load Bench Press Training
International Journal of Clinical Medicine 4 (2): 114-121 2013 Feb

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