おさえておきたいデッドリフトの基本情報と効果的なトレーニングのためのポイント

背中

「デッドリフトはどんな特徴があるの?」「デッドリフトの動作はどうするの?」「デッドリフトはどこに効くの?」「デッドリフトって腰を痛めるの?」「デッドリフトのグリップはどれが一番いいの?」

デッドリフトに関する疑問は次から次へと湧いてきます。

この記事では、デッドリフトに関する疑問を持つ人のために、デッドリフトの基本情報や理想的な動作、効果、さらに効果的なトレーニングのためのポイントを紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

1.デッドリフトとは

デッドリフトは床に置いているバーベルを全身の力を使って持ち上げる種目です。非常に重たいバーベルを使う種目で、全身の筋肉を鍛えることができる種目です。デッドリフトはパワーリフティングという競技の種目のひとつだったり、ウエイトリフティングの基本動作のひとつだったりします。

1ー1.デッドリフトは全身の力を強くすることができる

デッドリフトは全身の力を強くすることができるデッドリフトをやり込むことで全身の力を強くすることができます。デッドリフトは床に置いているバーベルを持ち上げる種目で動作中に全身の筋肉を使います。全身の筋肉を使うのでやり込むうちに高重量が扱えるようになり、全身の力が強くなります。

全身の力が強くなることで、他のトレーニング種目をしているときにも活きてきます。例えば、背中の筋肉を鍛えるベントオーバーロウという種目があるのですが、デッドリフトをやり込んだ人とそうでない人ではフォームの安定感が全然違います。デッドリフトをやり込んだ人のほうがベントオーバーロウで背中に刺激を入れることができます。

ちなみに、デッドリフトはフォームによって重点的に鍛える部位は変わります。一般的なフォームだと、腰の筋肉である脊柱起立筋やお尻の筋肉である大臀筋、太ももの裏側にあるハムストリングスをおもに鍛えることができます。膝から上に持ち上げるデッドリフト(ハーフデッドリフト)では背中の筋肉である広背筋や僧帽筋などを中心に鍛えることができます。

1ー2.デッドリフトは股関節の動きをよくすることができる

デッドリフトは股関節の動きをよくすることができるデッドリフトはおもに股関節を動かすことでバーベルを持ち上げる種目です。股関節まわりの筋肉を鍛えることができ、かつ股関節の動かし方を学習することができます。普段の生活で膝に負担がかかりやすい人はデッドリフトを行うことで疲れにくい身体の使い方をマスターすることができるようになります。

1ー3.デッドリフトは瞬発力を上げるのに向いている

デッドリフトは瞬発力を上げるのに向いているデッドリフトは瞬発力を上げるのに向いている種目です。なぜなら、デッドリフトは他の種目とは違い、いきなり負荷がかかる珍しい種目だからです。スクワットやベンチプレスではラックからバーベルを外した瞬間負荷がかかりますが、デッドリフトはバーベルを持ち上げない限り負荷はゼロです。なので、立ち上がりのときに大きな力を必要とします。

その立ち上がりのときの強度をうまく利用するために1回1回床に置いてバーベルなどが静止してから次の回数に移るようにしましょう。1回1回止めることでフォームが安定しやすくなり安全なトレーニングができます。バウンドするように連続で行うタッチ・アンド・ゴーという方法もあるのですがフォームのことを考慮して、最初のうちは1回1回置いて行うようにしましょう。

2.デッドリフトのバリエーション

デッドリフトは人の顔と同じくらいの数のバリエーションがあるといわれています。デッドリフトのバリエーションについて解説します。

2ー1.デッドリフトのスタンスのバリエーション

デッドリフトはスタンスによって鍛える部位が大きく変わります。各スタンスごとの特徴について解説します。

ベーシックな形のナロウスタンスデッドリフト

足幅を腰幅程度にして行うデッドリフトをナロウスタンスデッドリフトといいます。ナロウスタンスでのデッドリフトの特徴は股関節を前後にしっかり動かすことができることです。バランスをとるのが前後だけなのでナロウスタンスデッドリフトはベーシックな形として扱われます。

ナロウスタンスデッドリフトは幅が狭いのでバーベルの動く範囲はワイドスタンスのものに比べて広いので、上体の前傾は大きくなります。上体が前傾が大きくなることで、腰の筋肉やお尻の筋肉、太ももの裏側の筋肉、背中の筋肉を優先的に鍛えることができます

腰幅とは太ももの骨の大転子と呼ばれるところの真下に踵の中央が来ている幅のことをいいます。そこから、つま先を外側にほんの少しだけ広げて行うと太ももの裏側に、つま先を外側に45度ほど広げるとお尻を優先的に鍛えることができます。

内ももとお尻をしっかり鍛えるワイドスタンスデッドリフト

内ももとお尻をしっかり鍛えるワイドスタンスデッドリフト足幅を肩幅以上にして行うデッドリフトをワイドスタンスデッドリフトといいます。ワイドスタンスデッドリフトは股関節を前後だけでなく横にも使うのでナロウスタンスデッドリフトよりも技術が必要になります。ワイドスタンスデッドリフトでは、おもにお尻の筋肉と内ももの筋肉を鍛えることができます

ワイドスタンスデッドリフトは足を左右に広げるので、ナロウスタンスデッドリフトよりもバーベルの動く範囲は狭くなります。上体の前傾角度も少なくなるので、ナロウスタンスデッドリフトに比べて腰の筋肉や背中の筋肉への刺激が少ないことが特徴です。

ちなみにワイドスタンスデッドリフトではつま先の向きは30度から60度ほどが一般的です。

2ー2.デッドリフトのグリップ幅のバリエーション

デッドリフトのグリップ幅で変えることができるのはおもに上体の前傾角度です。グリップ別の効果について詳しく解説します。

グリップ幅は肩幅が一般的

グリップ幅は肩幅が一般的デッドリフトを行う際、グリップ幅は肩幅が一般的です。グリップ幅が肩幅よりも狭いとナロウスタンスデッドリフトの場合だと腕と脚がぶつかって上手く行うことができません。また、グリップ幅が狭すぎるとバーベルが不安定になりコントロールしにくくなります。

肩の真下に人差し指が来るか薬指に来るかで力の入り具合は変わります。
自分にあった指を見つけましょう。

上体の前傾を大きくするスナッチグリップ

上体の前傾を大きくするスナッチグリップグリップ幅を極端に広げることで上体の前傾を大きくすることができ、腰の筋肉や背中の筋肉、肩の後ろの筋肉への負荷を増やすことができます。特に81cmラインのあたりをもって行うデッドリフトのことスナッチグリップデッドリフトといいます。

グリップ幅を広げることで身体とバーが近くなり、バーベルの動く範囲を増やすことができます。また、ウエイトリフティングのスナッチという種目の練習にもなります。デッドリフト自体に興味を持った人は行うといいでしょう。

3.デッドリフトの名称ごとの違い

デッドリフトは○○デッドリフトという形で呼ばれることが多く、それぞれの用途が微妙に違います。ここではデッドリフトの名称ごとの違いについて解説します。

3-1.ベーシックなコンベンショナルデッドリフト

ベーシックなコンベンショナルデッドリフトコンベンショナル(伝統的な)デッドリフトはもっともベーシックな形のデッドリフトです。コンベンショナルデッドリフトは肩幅程度のグリップで腰幅程度のスタンスで行います。

動作は股関節中心で行うのですが、膝関節もしっかり使うところがコンベンショナルデッドリフトの特徴です。股関節と膝関節の両方を使うので大きな力を出すことができます。また、股関節と膝関節の両方を使うのでたくさんの筋肉を鍛えることができます

通常、デッドリフトといえばコンベンショナルデッドリフトのことを指します。技術的にはこのコンベンショナルデッドリフトがもっとも習得しやすいので、初心者の人はコンベンショナルデッドリフトから初めてみましょう。

3-2.太ももの裏に負荷を集中させるルーマニアンデッドリフト

太ももの裏に負荷を集中させるルーマニアンデッドリフトルーマニアンデッドリフトは太ももの裏に負荷を集中させることができるデッドリフトです。ルーマニアンデッドリフトはグリップは肩幅程度でスタンスは腰幅程度で行います。

ルーマニアンデッドリフトはほぼ股関節のみの動作で膝は少し緩める程度で行う形のデッドリフトです。ルーマニアンデッドリフトはバーベルなどを下ろすときに太ももの裏に強い刺激が入ります

また、ルーマニアンデッドリフトは股関節をメインで動かすので、腰やお尻の筋肉を鍛えるのにも向いています

3-3.膝を伸ばしたまま行うスティッフレッグドデッドリフト

膝を伸ばしたまま行うスティッフレッグドデッドリフトスティッフ(固めた)レッグドデッドリフトとは、膝を伸ばしたまま行うデッドリフトのことです。スティッフレッグドデッドリフトはグリップは肩幅程度でスタンスは腰幅程度で行います。

スティッフレッグドデッドリフトは膝を伸ばしたまま行うので股関節のみの動作になります。ルーマニアンデッドリフトと同様、太ももの裏や腰の筋肉に強い刺激が入れることができます

ただ、スティッフレッグドデッドリフトは膝の遊びがないのでお尻にあまり刺激は入りません。そのぶん使用重量が軽くても太ももの裏や腰の筋肉にしっかり効かせることができます。股関節の柔軟性がある程度必要な種目です。

3-4.強い脚を作るスモウデッドリフト

強い脚を作るスモウデッドリフトスモウデッドリフトはグリップ幅は肩幅で足幅がワイドスタンスのデッドリフトです。他のデッドリフトとは違い、脚よりも腕が内側に来ているのが特徴です。スタンスが広いぶん上体の前傾が少なくなり、お尻や内ももの筋肉に負荷が来るようになり、やり込むことで強い脚を作ることができます

スモウデッドリフトは股関節の柔軟性がある程度必要なデッドリフトです。また、フィニッシュポジション付近で太ももとグリップが擦れるので握力も必要とします。

3-5.パワーリフティングの記録を伸ばせるハルティングデッドリフト

パワーリフティングの記録を伸ばせるハルティングデッドリフト背中の上半分を少しだけ丸めてバーベルなどを持ち上げるデッドリフトのことをハルティングデッドリフトといいます。背中の上半分を少しだけ丸めることで、バーベルを引く距離を短くすることができ、パワーリフティングの記録の向上につながります

ただし、背骨への負担が大きいので、ここぞというときの1回だけに行いましょう。この方法は上体の前傾が少ないスモウデッドリフトと相性が良く、パワーリフターの中には組み合わせて行っている人もいます。

4.デッドリフトを行ううえで最低限おさえておきたい4つのポイント

ここでは、デッドリフトを行ううえで最低限おさえておきたいポイントについて紹介します。

4-1.足の真中にバーベルが来るようにする

足の真中にバーベルが来るようにするデッドリフトを行う前に足の真ん中にバーが来るところに立つと前後のブレが少ないデッドリフトをすることができます。前に行き過ぎると腰に必要以上のストレスがかかってしまい、後ろに行き過ぎると太ももや脛を擦ってしまいます。そうならないように足の真ん中にバーが来るようにしましょう。

4-2.股関節を前後に動かす感覚を掴む

股関節を前後に動かす感覚を掴むデッドリフトで大事なことは、股関節を前後に動かす感覚を掴むことです。デッドリフトのスタートポジションは肩と膝とくるぶしが横から見て一直線になるのが望ましく、フィニッシュポジションではそれに股関節が追加された状態になっていることが理想です。

つまり、デッドリフトで大事なことは、膝とくるぶしの位置を変えずに股関節を動かすことです。最初のうちはバーベルを持たずに膝の位置はそのままで腰を引くことから始めるといいでしょう。腰を引くときに頭を前に出さないと重心が後ろに行き過ぎるので、頭を前にすることで重心をコントロールしましょう。

4-3.息を思い切り吸い込む

息を思い切り吸い込むデッドリフトでバーを握ったときに息を思い切り吸い込むことで、腰の負担を減らすことができます。息を吸い込むことで背骨の角度が調整されるためです。腰が曲がり過ぎても、腰が反り過ぎても息を吸い込めないので、もっとも息の吸い込める背骨の角度を見つけましょう。

4-4.バーベルを持ってまっすぐ立つ

バーベルを持ってまっすぐ立つバーベルを握ったら背中をまっすぐにしたまま、まっすぐ立ちましょう。
背中をまっすぐにすることでバーベルと身体の距離を近づけることができます。そのことが腰の負担が減らすことにつながります。また、無駄のない挙上ができるということは筋力にも好影響を与えることができます。

5.デッドリフトの理想的な動作

デッドリフトは高重量を扱うことができる反面、怪我の深刻度が高いのも特徴です。理想的な動作を身につけて安全で効果的なトレーニングができるようになりましょう。

5ー1.デッドリフトのセッティングでの2つのポイント

デッドリフトのセッティングでの2つのポイントデッドリフトは最初のセッティングをおろそかにしてしまうと前後左右のズレが生まれてしまいます。ズレがないようにするチェックポイントを紹介します。

バーベルが両足の前後の真ん中に来るように立つ

理想的な動作でデッドリフトを行うためには、バーベルが両足の前後の真ん中に来るように立つ必要があります。なぜなら、デッドリフトは床からバーベルを持ち上げる種目であり、身体とバーベルとの距離が離れていると、必要以上の負荷が身体にかかってしまうからです。

つま先が正面に向いているときは分かりやすいのですが、つま先が外側に開いているときは足の前後の真ん中の位置を探すのはやや難しいと感じると思います。そういったときは浅くしゃがんで足の裏全体がしっかりつくのを確認してから行うようにしましょう。

フィニッシュポジションをイメージするためにまっすぐ立つ

デッドリフトのセッティングで足の置く位置を決めたら、フィニッシュポジションをイメージするためにまっすぐ立つようにしましょう。ここでのまっすぐとは横から見て頭と肩、股関節、膝関節、くるぶしが一直線になっている状態のことをいいます。この時点でまっすぐ立つことができなければバーベルを持ってまっすぐ立つことはできません。セッティングのときにサボらずに行いましょう。

5ー2.デッドリフトのスタートポジションでの5つのポイント

デッドリフトのスタートポジションでの5つのポイント

デッドリフトはスタートポジションで一気に負荷がかかる特殊な種目です。それだけに気をつけて行わないと怪我につながります。デッドリフトのスタートポジションでのポイントを紹介します。

股関節を引いて前屈をするようにしてバーを握る

デッドリフトを行う直前に、股関節を引いて前屈をするようにして上から(オーバーハンドグリップ)バーを握るようにしましょう。股関節ではなく膝関節を前に出してしまうと脛が前側に倒れてバーの軌道を塞いでしまいます。股関節を後ろに引いて前屈をするようにすると、脛がほぼ床と垂直の関係のままなのでバーの軌道を塞ぎません

ただ、股関節の柔軟性が不足して股関節を引いただけではバーにたどり着けない人もいます。そういった人は膝を緩めるようにして少しずつ膝を曲げて高さを調節するようにしましょう。デッドリフトをやり込むことで少しずつ股関節が動かしやすくなるので継続して行いましょう。

胸を張って両腕の間に身体を入れる

デッドリフトのスタートポジションに入るとき、胸を張って両腕の間に身体を入れる感覚をもつと身体とバーの距離が近くなり姿勢もよくなります。胸を張ることで肩ではなく胴体でバーベルの重さを受け止めることができるようになります

胸を張って両腕の間に身体を入れることがうまくできていれば、自然と脇の下あたりが固くなっているのがわかると思います。脇の下あたりにある広背筋という筋肉を固めることで胴体の筋肉との連動性が生まれ、より強い力を生み出すことができます。

鼻で息を大きく吸い込む

デッドリフトのスタートポジションで、鼻で息を吸い込むと肩甲骨と骨盤の位置が整い理想的なデッドリフトができるようになります。息を大きく吸い込むことでお腹が張って力が出やすくなります。できる限りたくさんの空気をお腹の中に入れましょう。

お尻の筋肉に力を入れる

デッドリフトのスタートポジションでお尻の筋肉に力を入れて持ち上げると、立ち上がりがスムーズになります。立ち上がりがよくないと背中が丸まりやすくなるので、お尻の筋肉に力を強く入れてから持ち上げるようにしましょう。

足で床を打ち抜く

デッドリフトでの準備が整ったら、足で床を打ち抜きましょう。床を打ち抜くイメージを持つことで全身の力が床に垂直に伝わります。デッドリフトは立ち上がりが一番きついので床を強く打ち抜きましょう。

5ー3.デッドリフトのミッドポジションでの3つのポイント

デッドリフトのミッドポジションでの3つのポイント

デッドリフトではミッド(中間)ポジションにも気を配る必要があります。ミッドポジションとは膝の高さにバーベルが来ているポジションのことを言います。ちなみに、スタートポジションからミッドポジションまでのことをファーストプル、ミッドポジションからフィニッシュポジションのことをセカンドプルと言ったりします。

上体の前傾角度をキープする

デッドリフトのミッドポジションで気をつけることは上体の前傾角度をキープすることです。ミッドポジションで上体の前傾角度が大きくなる過ぎると股関節の負荷が大きくなり過ぎてしまい、上体の前傾角度が小さくなるり過ぎると膝が前に出すぎてバーの軌道を塞いでしまいます

デッドリフトのミッドポジションでも上体の前傾角度をキープすると股関節が大きくなり過ぎず、バーの軌道を塞ぐこともなく理想的なデッドリフトの動作が行えるようになります。

胸を張って脇を締め続ける

デッドリフトのミッドポジションでも胸を張って脇を締め続けるようにしましょう。途中で脇が開いてしまうとバーと身体の距離が離れるので、腰へのストレスが大きくなり過ぎてしまい怪我につながるからです。怪我の予防や広背筋を強化する意味でも、胸を張って脇を締め続けるようにしましょう。

お尻と太ももの裏の筋肉に力を入れる

デッドリフトのミッドポジションでお尻と太ももの裏の筋肉に力を入れることで動作を力強く行うことができます。お尻と太ももの裏の筋肉に力を入れることで股関節が横に揺れるのを防ぐことができるようになります。もし、股関節が横に揺れてしまったときは揺れた側のお尻の筋肉に力を強めに入れることで修正することができます。

5ー4.デッドリフトのフィニッシュポジションでの2つのポイント

デッドリフトのフィニッシュポジションでの2つのポイントデッドリフトは直立の状態まで身体を起こしてバーベルを持ち上げる種目です。フィニッシュポジションでのポイントをおさえることで次の回数の動作の質が上がります。

頭と股関節とくるぶしが一直線になるように立つ

デッドリフトのフィニッシュポジションで、頭と股関節とくるぶしが横から見て一直線になるように立ちましょう。たまにフィニッシュポジションでも腰を引いている人を見かけますが、背中の筋肉を収縮させて刺激を与えたいのであれば、横から見て一直線になるようにしたほうがいいでしょう。

また、腰を引いたままのフィニッシュを続けるとバーベルの重みで肩が前に出てしまい、腰へのストレスが大きくなりすぎてしまったり、フォームが崩れたりするので、1回1回横から見て身体が一直線になるようにしましょう。

直立の状態で息を吐く

デッドリフトでバーベルを持ち上げる途中で息を吐いてしまうと背中が丸まってしまいます。なので、デッドリフトではフィニッシュポジションで直立の状態のときに息を吐くようにしましょう。直立の状態だと息を吐いても身体の負担はほぼゼロなので安全に呼吸することができます。

5ー5.デッドリフトでバーベルを下ろすときに気をつけたい2つのポイント

デッドリフトでバーベルを下ろすときに気をつけたい2つのポイント

デッドリフトはバーベルを下ろす動作を丁寧にしないと怪我につながります。丁寧にバーベルを下ろすためのポイントを紹介します。

太ももの前側と脛をなぞるように下ろす

デッドリフトでバーベルを下ろすとき、太ももの前側と脛をなぞるように下ろすと安定した形で下ろすことができます。膝よりも上が太ももの前側、膝よりも下が脛というように切り替えることで広いレンジのデッドリフトでも安定して重いバーベルを下ろすことができます。

足の前後の真ん中にバーが来るようにコントロールして下ろす

デッドリフトでバーベルを下ろす位置を足の前後の真ん中にすると次の回数をスムーズに行うことはできます。下ろす位置がつま先に寄りすぎたり踵に寄りすぎたりすると体勢が崩れてフォームを乱すもとになります。複数の回数を行うときは特にバーベルを下ろす位置を足の前後の真ん中に来るように下ろすようにしましょう。

6.デッドリフトで鍛えることができる部位

デッドリフトは全身の筋肉を鍛えることができる種目です。特に重要な筋肉についてを解説します。

6ー1.人間が立つうえで必要な脊柱起立筋

人間が立つうえで必要な脊柱起立筋デッドリフトでは背骨の両側にお尻から首にかけてついている筋肉である脊柱起立筋を鍛えることができます。脊柱起立筋は立つことや座ること、歩くこと、姿勢の維持といった日常生活やスポーツの場面で使われないことがない筋肉です。重力に抵抗する筋肉である抗重力筋として扱われる筋肉でもあります。

脊柱起立筋が発達することで身体がブレにくくなり、他のトレーニング種目でも高重量のものが扱えるようになります。それが全身の筋肉の発達につながります。

脊柱起立筋は上体の前傾角度が大きいと負荷が大きくなるので、鍛えるのであればナロウスタンスデッドリフトやスナッチグリップデッドリフト、あとはこれから紹介するデフィシットデッドリフトなどがいいでしょう。

6ー2.股関節を使って動作を力強くする大臀筋

股関節を使って動作を力強くする大臀筋デッドリフトでは大臀筋を鍛えることもできます。大臀筋は屈んだ状態から直立の状態になったときや脚を横に広げて立ち上がるときに使われる筋肉です。歩く走るといった動作に使われる筋肉でもあります。この筋肉も日常生活やスポーツの場面で使われないことが珍しい筋肉です。大臀筋が発達することで低い体勢からの出力を上げることができます。おもに100m走のスタートなどで活きます

また、大臀筋が発達することで下半身のシルエットを良くすることができます。お尻の筋肉が発達することで立体的な下半身を作ることができます。

股関節と膝関節が両方とも曲がっている状態から直立の状態になったときに大臀筋に刺激が入ります。なので膝上から引き上げるような浅いデッドリフトだと鍛えることができません。大臀筋を鍛えるのであれば、低い位置から行うデッドリフトにしましょう。

また、大臀筋は脚を広げて立ち上がるときにも使われるのでワイドスタンスデッドリフトでも鍛えることができます。

6ー3.太ももの分厚さを強調するために必要なハムストリングス

太ももの分厚さを強調するために必要なハムストリングスデッドリフトは太ももの裏側の筋肉であるハムストリングスを鍛えることができます。ハムストリングスは脚を曲げたり腰を引いた体勢をとるときに使われる筋肉です。他にも歩く動作や走る動作に使われる筋肉でもあります。太ももの分厚さを強調するときに鍛えるといい筋肉です。

ハムストリングスはナロウスタンスでのデッドリフトで鍛えることができます。ワイドスタンスでのデッドリフトではハムストリングスではなく大臀筋や内転筋に負荷が移ってしまいます。ハムストリングスを鍛えるときはナロウスタンスで股関節を動かすことを中心に考えてみましょう。

6ー4.逆三角形な身体を作るのに必要な広背筋

逆三角形な身体を作るのに必要な広背筋デッドリフトでは広背筋を鍛えることができます。広背筋は背骨や骨盤から腕の骨にまでついている筋肉で、逆三角形の身体を作るための必要な筋肉です。バンザイした腕を下ろしたり、手前のものを身体に引き付けたりするときに使う筋肉です。

ちなみにデッドリフトで広背筋を鍛えるときは深く沈み込む必要はありません。広背筋を狙って鍛えるのであればデッドリフトのレンジを膝から上にするといいでしょう。また、スナッチグリップデッドリフトは広背筋に負荷が入りやすいのでおすすめです。

6ー5.首を太くするために必要な僧帽筋

首を太くするために必要な僧帽筋デッドリフトでは僧帽筋も鍛えることができます。僧帽筋は首や背中から肩にかけてついている筋肉です。僧帽筋の筋力がつくと頭の位置が安定して肩凝りやむち打ちなどを予防することができます。また、首を太くする効果も期待できる筋肉です。

デッドリフトで僧帽筋を鍛える際、フィニッシュポジションで背中を寄せることで鍛えることができます。フィニッシュポジションで背中を寄せさえすればいいのでどのようなデッドリフトでも鍛えることができます。

6ー6.脚の広がりを強調することができる内転筋

脚の広がりを強調することができる内転筋おもにワイドスタンスでのデッドリフトでは内転筋を鍛えることができます。内転筋は恥骨から太ももの骨にまでついている筋肉で脚と脚とのを近づけるはたらきを持つ筋肉です。内転筋は股から太ももの内側のシルエットを変えることができ、脚の広がりを強調することができます

また、内転筋を鍛えることで膝の怪我を予防することができます。太ももを内側からサポートする内転筋を鍛えることで膝の構造を強化することができます。それが膝の怪我の予防につながります。

ちなみに、ナロウスタンスのデッドリフトでも内転筋は使われています。

7.デッドリフトで得られる4つの効果

デッドリフトで得られる効果は実に様々です。

7ー1.全身の筋力を高めることができる

全身の筋力を高めることができるデッドリフトを継続的に行うことで、全身の筋力を高めることができます。デッドリフトは全身の筋肉を使って高重量のバーベルなどを持ち上げる種目です。高重量を扱うことにより、全身の筋肉に強い刺激を与えることができます。その結果、全身の筋肉が発達して全身の筋力を高めることにつながります。

全身の筋力を高めることで他の種目の使用重量が伸び、より大きな筋肉を作ることにもつながります。日本を代表するボディビルダーの多くがトレーニングの軸としてデッドリフトを採用しています。

7ー2.股関節の使い方がうまくなる

股関節の使い方がうまくなるデッドリフトをやり込むことで、股関節の使い方がうまくなります。ナロウスタンスデッドリフトではヒップヒンジと呼ばれる股関節をちょうつがいのように使うテクニックが身に付きます。ヒップヒンジが無意識にできるようになると低い体勢をとりやすくなり、スポーツの上達速度が早くなります

また、ワイドスタンスでのデッドリフトでも股関節の使い方がうまくなります。ワイドスタンスのデッドリフトを継続して行うことでスタンスを広げて力を出すことに慣れてスポーツにおける構えが安定するようになります。

7ー3.バランス力が格段に上がる

バランス力が格段に上がるデッドリフトの使用重量が上がるにつれ、バランス力が格段に上がっていきます。デッドリフトでつけた下半身の筋力をバランスを整えるために使うことで、自体重のみでバランスをとることが容易いことになります

7ー4.リフティングスポーツが得意になる

リフティングスポーツが得意になるデッドリフトを行うことでパワーリフティングやウエイトリフティングが得意になります。パワーリフティングではデッドリフトは種目のひとつで、ウエイトリフティングではデッドリフトは2種目のベースとなる動作です。デッドリフトが強くなるとリフティングスポーツで有利になります

8.デッドリフトをさらに効果的に行うためのポイント

デッドリフトはちょっとした工夫で内容が大きく変わる種目です。さらに効果的に行うためのポイントを紹介します。

8ー1.底が薄くて固いシューズを履く

底が薄くて固いシューズを履くデッドリフトを行うとき、底が薄くて固いシューズを履くと効果的なトレーニングができるようになります。底が薄いと持ち上げるバーベルの距離を少しだけ短くすることができ、その分高重量を扱うことができます。また、底が固いことでバランスがとりやすくなります。

理想はレスリングシューズですが、オールドスクールなスニーカーやスリッポン、鳶靴、地下足袋なんかもおすすめです。特に鳶靴は作業着専門店のようなところだと1000円でお釣りが来るのでおすすめです。

8ー2.グリップを工夫する

デッドリフトでは足の裏と同じくらいグリップに心配りをする必要があります。グリップでのポイントを紹介します。

オルタネイト(ミックス)グリップを採用する

オルタネイト(ミックス)グリップを採用する高重量のデッドリフトではオルタネイトグリップを採用するとグリップが安定します。オルタネイトグリップとは片方を上から(オーバーハンドグリップ)、もう片方を下から(アンダーハンドグリップ)バーを握ることです。オルタネイトグリップで握ることでバーが回転しにくくなり、握力がもつようになります。

ちなみに、オルタネイトグリップは左右を入れ換えるだけで出せる力が大きく変わります。自分に合ったグリップを見つけましょう。限界に近い重量のときはオルタネイトグリップを試してみてください。

フックグリップを採用する

高重量のデッドリフトを行う際、フックグリップを採用するというのもいいアイデアです。フックグリップは両方とも上から握る方法ですが、親指の上から人差し指と中指で包むようにして強く握ることでバーとの接点を増やして握力をもたせるという点で通常のグリップとは違います

この方法だと左右差を気にせずに行うことができますが、慣れないうちは親指に内出血が出て痛いと感じる人は中にはいます。フックグリップは軽い重量から試してみてください。

ストラップを使う

ストラップを使うデッドリフトを高回数で行うときはストラップを使うと握力のことを気にせずにトレーニングができます。ストラップを使うことで高負荷での最大反復回数が増えることがわかっています。もし、予算に余裕があればストラップの購入を検討してみてください。

8ー2ー4.チョーク(滑り止め)を使う

チョーク(滑り止め)を使うもし、ジムで許可が出ればチョークを使うというアイデアもあります。チョークを使うことができる環境であればチョークを使うことをおすすめします。チョークを使うことでグリップが安定しやすくなります。デメリットはほとんどのジムがチョーク禁止なことくらいです。

もし、チョークが使えるのであれば、チョークはクライミングスタジオのものが使いやすくておすすめです。フタがカリカリにならないようにしっかりと管理しましょう。

8ー3.ベルトを使う

ベルトを使う高重量のデッドリフトを安全に行うために、トレーニングベルトを使うことをおすすめします。トレーニングベルトをすることで腰の不必要なストレスから身を守ることができます。また、お腹にたくさん空気を送り込んでお腹を固くするテクニックを理解するためにもトレーニングベルトは必須です。

お腹にたくさん空気を送り込んでベルトを押し出すようにしてお腹を固めることを「腹圧を高める」と言います。特にやせ型の人は腹圧を高めるのが不得意な人が多いので特におすすめです。トレーニングベルトは決して安価なものではありませんが、怪我の治療代と思って投資してみてください。

8ー4.他の人に背中の反りを見てもらう

他の人に背中の反りを見てもらうデッドリフトは背中が丸まってしまうと怪我のリスクが跳ね上がります。信頼できるパートナーやトレーナーコーチにチェックしてもらいましょう。

8ー5.自分のデッドリフトを横から撮影して自分でフィードバックする

自分のデッドリフトを横から撮影して自分でフィードバックする自分のデッドリフトのフォームを撮影して確認することで新しい発見が生まれます。もし、ジムで許可が出るなら自分で撮影してチェックするようにしてみましょう。自分で撮影するときは、なるべく横から撮るようにしましょう。横から撮ることでデッドリフトを行っている最中では気づかないことに気づくことがあるからです。

8ー6.レンジ(可動域)を調節する

デッドリフトで鍛えたい部位が明確になったら、レンジを調節することをおすすめします。レンジを調節することで自分に合ったデッドリフトができるようになります。

レンジを狭くする

レンジを狭くするデッドリフトで背中の筋肉を鍛えたい場合、レンジを狭くすることで狙った部位に負荷を集中させることができます。ハーフデッドリフト(ラックプル)ではレンジを狭くすることで鍛えたい部位(背中の筋肉)に負荷を集中させることができます。

レンジを広くする

レンジを広くする

腰やお尻の筋肉を集中的に鍛えたい場合、レンジを広くすると効果的なトレーニングができます。スナッチグリップのデッドリフトや台の上乗って行うデフィシットデッドリフトなどがおすすめです。この方法は立ち上がりの強化もできるので行き詰まったらやり込みましょう。

8ー7.いつもとは違うスタンスやグリップ幅で行う

いつもとは違うスタンスやグリップ幅で行うデッドリフトで行き詰まったとき、いつもとは違うスタンスやグリップ幅で行ってみましょう。そうすることで普段鍛えない弱い部位が強化されて身体全体の筋力が強くなることがあるからです。たまにはいつもと違う方法でもやってみましょう。

8ー8.1セットの回数を減らす

1セットの回数を減らすデッドリフトで停滞している原因の多くが1セットの回数が多すぎることです。デッドリフトは高重量になるにつれ、呼吸が乱れてフォームも乱れがちになります。そんな状態で1セット10回といった高回数で行うと後半になるにつれてフォームが乱れた形での回数が増えてしまいます。

そこで、1セットの回数を減らすことでフォームが乱れた形での回数を減らすことができます。1セットにつき5回ほどでも充分効果が期待できます。だからといって、1回だけだと怪我のリスクも跳ね上がるので、1セットにつき3~5回にしてセット数を2セットほど増やすという形を採るといいでしょう。

8ー9.腹八分でよしとする

腹八分でよしとするデッドリフトでの予定は他の種目よりも甘めに設定するのがおすすめです。少々フォームが崩れての8回よりもしっかりとしたフォームで5回のほうがいいと判断する勇気を持ちましょう。なぜなら、デッドリフトでの怪我は高重量を扱うので深刻なものになりやすく、怪我が治るまで長期間休まなければならないからです。長期間休むぐらいなら成長のペースが緩やかでも確実に進んだほうが調子のムラもなくなるのでおすすめです。

デッドリフトでよくあるのがラスト1回で怪我をすることです。ラスト1回での怪我は本当に後悔します。デッドリフトに関しては余裕を持った予定を組むようにしましょう

さいごに

デッドリフトはとても難しい種目です。理想的なフォームでできるようになるまで長い時間を要します。私もデッドリフトのフォームができ上がったと思って、重量を上げてみるとグズグズなフォームに戻ったりするなんてこともよくありました。

この記事で紹介したポイントと実際に行った動きとを照らし合わせて、少しずつ理想的な動作に近づけていきましょう。そして、デッドリフトの理想的な動作を無意識でも行えるようになったら、効果的なトレーニングのためのポイントを試してみましょう。

いい形のデッドリフトをたくさん行いましょう。応援しています。

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