三角筋前部の発達に欠かせない!フロントレイズを徹底解説

誰もが理想とする逆三角形のカラダを作るには、肩の筋肉の発達が欠かせません。

そこで今回は肩のトレーニングの代表種目であるフロントレイズに関して解説していきます。

フロントレイズはその動作自体は簡単な種目です。しかし『バーベルとダンベル、どっちがいいの?』『手の向きを変える必要はあるの?』などさまざまな疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。

この記事ではフロントレイズの基本的な情報から正しいフォームや効かせ方のポイント、そしてバリエーションまで徹底的に解説していきます。

フロントレイズのことを正しく理解し、理想のカラダを手に入れましょう!

1.フロントレイズとは?フロントレイズの基本情報

フロントレイズとはダンベルやバーベルなどの重りを手に持ち、上腕を前方に上げることで肩の筋肉を鍛えていく種目です。

まずは基本的な情報から見ていきましょう。

1-1.フロントレイズで鍛えられるのは三角筋前部

フロントレイズでは肩の筋肉が鍛えられますが、肩は三角筋という筋肉によって覆われています。

そして三角筋は上図のように前部(赤)、中部(紫)、後部(緑)に分類でき、このうちフロントレイズで鍛えられるのは主に三角筋前部です。

三角筋前部は鎖骨の外側1/3から上腕骨まで付着しており、この両端を近づけたり(収縮)遠ざける(ストレッチ)ことにより刺激を与えることができます。

また、筋肉には平行筋(筋繊維が平行に並んでいるため収縮スピードは早いがパワーが弱い)と羽状筋(筋繊維が斜めに並んでいるため収縮スピードは弱いがパワーは強い)があります。

アメリカで行われた研究によると平行筋は低重量高レップス、羽状筋は高重量低レップスで行うことで筋肥大に優位な結果が得られたと報告されています。1)

つまり、平行筋である三角筋前部も低重量高レップスで行ったほうが良いと言えるわけです。

1-2.フロントレイズは肩関節のみを使用するアイソレーション(単関節)種目

フロントレイズでは三角筋前部が鍛えられると説明してきましたが、三角筋前部の役割に関して説明していきます。

三角筋前部の主な役割は、主に肩関節の屈曲(上腕を前に挙げる動作)、内旋(小さく前習えした状態で肘から先を内側に閉じる動作)、そして水平内転(上腕を水平に挙げ、内側に内側に閉める動作=ケーブルクロスオーバー)です。

そしてフロントレイズでは、このうち肩関節の屈曲が行われています。

手に何も持たない状態で上腕を垂直に挙げると、三角筋前部に力が入るのがわかるはずです。

トレーニング種目には、動作中に複数の関節が動員されるコンパウンド(多関節)種目と一つの関節のみを使用するアイソレーション(単関節)種目があります。

このうちフロントレイズは後者のアイソレーション種目に該当します。

アイソレーション種目は、ショルダープレスなどのコンパウンド種目に比べると扱える重量が下がってしまいます。

しかし、その分動作が単純なため三角筋前部に効かせやすいという特徴があります。

また、先ほど説明したように三角筋前部は平行筋のため低重量高レップスで行うのが筋肥大に効果的です。

この点からそもそも高重量を扱えないフロントレイズと相性がいいと言えます。

また、三角筋前部を対象としたアイソレーション種目はフロントレイズしかないため、肩のトレーニングではぜひともメニューに取れ入れたい種目です。

1-3.フロントレイズは収縮種目

トレーニング種目は全てPOF法(Position of flexion)に分類することができます。

POF法とはどの位置で筋肉に対して最も負荷がかかるか、3分割(動作の中間で負荷がかかるミッドレンジ種目、筋肉が収縮時に最も負荷がかかるコントラクト種目、ストレッチ時に最も負荷がかかるストレッチ種目)に分ける方法です。

フロントレイズは動作の中間で最も負荷がかかるミッドレンジ種目だと思っている方が多いのですが、正確にはコントラクト種目に該当します。

上腕が地面と垂直になった際にもっとも負荷(収縮)がかかるため、動作中は収縮させることを意識しましょう。

1-4.ピンポイントで三角筋前部を鍛えたいならば、やるべき種目

三角筋前部は、ダンベルショルダープレスなどのコンパウンド(多関節)系プレス種目でもよく使われている筋肉です。
そのため、わざわざフロントレイズを取り入れていない、という方も多いのではないでしょうか。

しかし、三角筋前部をピンポイントで発達させたいのであれば肩のトレーニングで取り入れるべき種目です。

なぜなら、三角筋前部のアイソレーション(単関節)種目はフロントレイズ以外にはないからです。

また、フロントレイズにはたくさんのバリエーションがあるため収縮やストレッチなどプレス系種目で足りない点を補ってくれます。

もちろん毎回取り入れる必要はありませんが、本気で三角筋前部を鍛えたいならば高頻度で行うべき種目です。

2.フロントレイズの正しいフォーム

フロントレイズの正しいフォームを解説していきます。

また、フロントレイズにはダンベルやバーベル、ケーブルなどさまざまなやり方があります。

まずは一番オーソドックスなダンベルでのフォームを解説していきます。

各種バリエーションに関しては、後ほど説明します。

まずは一連の動作手順に関して見ていきましょう。

2-1.動作の流れ

  1. 足を肩幅、膝を軽く曲げ、しっかりと胸を張った状態で直立する
  2. にした状態で、ダンベルを両手に持って体側にセット
    ※ここがスタートポジション
  3. 両手に持ったダンベルを、地面と平行になるまで上げる
    ※ここがフィニッシュポジション
  4. ダンベルをゆっくりと戻していき、負荷が抜けきる直前で切り返す
  5. 1~4を12~15回を目安に繰り返す。

続いて、それぞれの動作を詳しく解説していきます。

足を肩幅、膝を軽く曲げ、しっかりと胸を張った状態で直立する

動作に入る前に足幅や姿勢をしっかりとセットしましょう。
この時不自然に足幅が狭かったり、膝が伸びきらないようにします。一番自然に力が入る姿勢を維持しましょう。
また、軽く前傾姿勢を保つことで上半身を固めやすくなり、三角筋前部の収縮も強くなります。

手のひらを上にした状態で、ダンベルを両手に持って体側にセット

フロントレイズでは、手の向きによって刺激が入るポイントが微妙にズレます。
詳しいことは後述しますが、まずは一番オーソドックスな手の平を下に向けた状態(オーバーハンドグリップ)で動作を行いましょう。

両手に持ったダンベルを、地面と平行になるまで上げる

ここから実際に動作へと入ります。ダンベルを上げていく動作は、まさしく肩関節の屈曲です。
ダンベルが地面と平行になった時点がもっとも負荷が乗るため、しっかりと上げ切りましょう。
また、この時三角筋前部の収縮を意識してください。

ダンベルをゆっくりと戻していき、負荷が抜けきる直前で切り返す

しっかりと三角筋前部が収縮したら、ダンベルを戻していきます。
ここでのポイントは、ダンベルをゆっくりと戻していくことです。
重力に沿ってそのまま戻してしまうと、三角筋前部にほとんど負荷がかからず効果が半減してしまいます。
ネガティブ動作もしっかりと意識し、重力に逆らうようにして耐えながら戻していきます。
また、ダンベルを戻しきらないように注意してください。ダンベルが肩の真下に来るまで戻してしまうと、重力とベクトルが一致し負荷が抜けてしまいます。
上腕が地面と垂直になる一歩手前、三角筋前部から負荷が抜けきる直前で切り返すようにしましょう。常に三角筋前部に負荷を乗せることを意識することで、より効かせることができます。

3.フロントレイズの注意点

フロントレイズは、上腕が地面と水平になるまで上げるだけの単純な動作です。

しかし、一歩間違えると三角筋から負荷が抜けてしまいます。

フロントレイズを行う上でありがちな注意点を挙げていきます。

3-1.反動を使わない

まず一番ありがちなのが、動作中に反動を使ってしまうことです。

フロントレイズは立位で行うため、辛くなってくると反動を使いがちです。

あえて高重量でチーティングを使いネガティブ動作で耐えるという方法もありますが、これは上級者向きです。

また、無理に高重量を扱ってしまうと肩関節を怪我する危険性もあります。

そのため、まずは反動を使わずストリクトに効かせる方法をマスターしましょう。

反動を使ってしまう理由は2点あります。

まず1点目が、フォームが固まっていないことにより上体がぶれてしまうということです。動作に入る前にしっかりと固めないと、動作中に上体が動いてしまいます。

そして2点目が、三角筋前部で扱える許容重量を超えているということです。

前者に関しては腹圧をしっかりとかけて上体を固めることで改善できますが、後者の場合は重量設定が間違っているため、軽い重量に変更しましょう。

また、どうしても反動を使ってしまう場合は後ほど紹介するシーテッドフロントレイズを試してみてください。

3-2.肘を伸ばしきらない

2点目が、肘を伸ばしきった状態で動作を行ってしまうことです。

肘が伸びきった状態で動作を行うと、肘関節への負担が大きくなり怪我へと繋がる可能性があります。

肘関節は怪我をしやすいので、動作中は肘を軽く曲げた状態をキープしましょう。

3-3.可動域が狭すぎる

最後3点目が、動作中の可動域が狭すぎるという点です。

文中で何度か説明している通りに、フロントレイズは収縮種目です。

そして三角筋前部は鎖骨から上腕骨まで付着しているため、この両端を近づけることにより収縮が行われます。

つまりダンベルが地面と平行になった時点が三角筋前部の最大収縮ポジションです。

そのため毎回しっかりと上げきることを意識しましょう。
可動域が狭くなってしまうと、その分収縮されずに効果が半減してしまいます。

4.フロントレイズで三角筋前部により効かせるためのコツ

フロントレイズは動作自体が単純なため、正しいフォームで行えば比較的簡単に三角筋前部に効かせることが可能です。

ここでは、より効果的に三角筋前部へと効かせるためのコツを3つ紹介していきます。

4-1.挙上時に手首を内側に捻る

通常のフロントレイズでは手の甲が上を向いた状態でスタートし、そのままダンベルを挙上します。

この時により三角筋前部に刺激を与えるコツはスタート時に手が横を向いた状態(ハンマーグリップ)で持ち、挙上するにつれて手の甲を上にしていきます。

つまりスタートポジションではハンマーグリップ、フィニッシュポジションではオーバーグリップになるということです。

三角筋前部には肩関節の屈曲だけではなく、内旋の働きもあります。

挙上時に肩関節の内旋の動きを加えることで、より三角筋前部へと効かせることができます。

また、よくボディビルダーやフィジーカーでフロントレイズを行う際に肩と顔を近づけているシーンを見かけることがあります。これは、三角筋前部の起始である鎖骨部と停止である上腕骨を近づけることにより収縮感を強めるためです。

より収縮感を意識する場合は、ダンベルの挙上時に肩と顔を近づけるようにしてみましょう。

4-2.軽く前傾姿勢をキープ

フロントレイズを行う際は、軽く上体を前傾姿勢にすることをオススメします。

また、通常のフロントレイズではダンベルを地面と平行になるまで持ち上げましたが、前傾した際にはそれよりも上まで挙上します。

前傾した状態でダンベルを高く上げることで、より三角筋前部の起始と停止が近づき、収縮を強めることができます。

4-3.肩を下げた状態で動作を行う

フロントレイズやサイドレイズなど肩のトレーニングでありがちなのが、僧帽筋の関与が高まってしまうことです。

僧帽筋は肩甲骨が動くことによって関与します。

そのため動作中は肩を常に下げ、肩甲骨が動かないようにして動作を行いましょう。

5.手の向きによって効く部位が違う?それぞれの特徴とメリットを解説!

通常のフロントレイズは、手の甲を上にして握るオーバーハンドグリップで行われることが多いです。

しかし、ジムで手のひらを上にしたアンダーハンドグリップや、手を横にした状態のハンマーグリップでフロントレイズを行っている方を見かけたことはないでしょうか。

フロントレイズでは、グリップ(手の向き)によって効く部位に変化が生じます。グリップごとの特徴を説明していきますので、目的に合わせて選択しましょう。

5-1.オーバーハンドグリップ

オーバーハンドグリップは、フロントレイズの中でも一番オーソドックスな方法です。

オーバーハンドグリップで行うことのメリットとしては、三角筋前部の起始と停止が一番近い状態で行えるため、収縮しやすいという点です。

注意点としては、三角筋中部の関与が高くなること、握り込みやすいことで前腕にも負荷が入りやすくなってしまうことです。

ただし、前腕の関与に関しては親指を外したサムレスグリップで引っ掛けるようにして行うことで減らすことができます。

5-2.アンダーハンドグリップ

アンダーハンドグリップは、三角筋前部の中でも特に鎖骨側への刺激が高くなります。

この部分が発達すると大胸筋と三角筋の境目にメリハリができ、ボリュームのある肩周りを作ることができます。

また、オーバーハンドグリップに比べると三角筋中部の関与が減ります。

しかし手首が回外(手のひらが上の状態)することで上腕二頭筋に力が入りやすくなり、さらに軌道が大胸筋の筋線維と一致することにより大胸筋上部へと負荷が入りやすくなります。

5-3.ハンマーグリップ

ハンマーグリップは、オーバーハンドとアンダーハンドの丁度中間的な効果があります。

また、三角筋前部の筋繊維は縦に走行しているため、ハンマーグリップでのフロントレイズでは軌道が一致します。

つまり、三角筋前部への負荷を感じやすいというメリットがあります。

ただ、アンダーハンドグリップ同様、手首が回外するため上腕二頭筋への関与が高まってしまいます。

6.フロントレイズのバリエーション

フロントレイズは、アタッチメントやポジションを変更することでいくつものバリエーションが可能です。

今回はその中でもオススメなバリエーションを6つと、それぞれのメリットを紹介していきます。

6-1.オルタネイトフロントレイズ

オルタネイトフロントレイズは、ダンベルを用いて左右交互に行っていくフロントレイズです。

片方ずつやることでコントロールがしやすくなり、より三角筋前部への刺激を感じやすくなります。

また、両手を使わない分上半身の反動を抑えやすくなるというメリットがあります。

ただし、片手づつ行うことで上半身が回旋しやすくなるため、動作中は腹圧をしっかりとかけて上半身を固定しましょう。

6-2.バーベルフロントレイズ

バーベルフロントレイズは、オリンピックバーなどのストレートバーを用いて行うフロントレイズです。

数あるフロントレイズのバリエーションの中でも高重量を扱いやすいというメリットがあります。そのため、チーティングを利用したネガティブ動作重視のトレーニングを行う際にオススメです。

また、手幅を変えることで三角筋前部の中でも効かせる場所を変えることができます。

手幅を狭くすれば三角筋前部の内側(鎖骨側)、広くすると三角筋前部の外側(三角筋中部側)に効かせることができます。

ただし手首への負担が強いという注意点もあるため、手首が硬い人は次に紹介するEZバーフロントレイズを行いましょう。

6-3.EZバーフロントレイズ

EZバーフロントレイズのメリットは、ストレートバーに比べて手首の負担を軽減できる点です。

EZバーには持ち手がいくつかありますが、外側のギザギザ(手がハの字になるようにする)を持って動作を行いましょう。

三角筋前部へと効かせやすいため人気の種目ですが、手幅が限られており、持ち手の性質上手首が少しだけ回外することで三角筋中部への負荷が強くなるという注意点もあります。

6-4.インクラインフロントレイズ

通常のフロントレイズは、スタンディングで行います。

しかし、これだと重力の関係上スタートポジションでは三角筋前部へとほとんど負荷(ストレッチ)がかかっていません。

そこで三角筋前部にしっかりとストレッチをかけるためにオススメな種目が、インクラインフロントレイズです。三角筋前部にストレッチをかけられる種目は少ないため、肩の種目では取り入れるべき種目です。

インクラインフロントレイズのフォームを解説していきます。

  1. インクラインベンチを60~70度にセットする
  2. 両手にダンベルを持ち、インクラインベンチに仰向けになる
    ※ここがスタートポジション
  3. 三角筋前部へとしっかりとストレッチを感じながら、ゆっくりとダンベルを持ち上げていく
  4. ダンベルが地面と平行より少しに来たら、またゆっくりと下ろしていく

インクラインフロントレイズで大事な点は、しっかりとストレッチをかけることです。

スタートポジションでストレッチをかけられるため、初動はゆっくりと行いましょう。

ダンベルの軌道は身体の横を沿うようにします。

アンダーハンドグリップではインクラインカールのような動作になり上腕二頭筋の関与が高まってしまうため、オーバーハンド、もしくはハンマーグリップで行うことをオススメします。

また、足が地面に着いているとダンベルの軌道の邪魔となってしまう田め動作中は両足をベンチの横に置かず伸ばしましょう。

6-5.シーテッドフロントレイズ

スタンディングで行うフロントレイズではどうしても反動を使ってしまい三角筋にイマイチ効かせられることができない、という方にオススメなのがシーテッドフロントレイズです。

シーテッドフロントレイズは、その名の通り座った状態で行うフロントレイズです。

インクラインベンチを90度近くに設定してしっかりと上体を預けることで、反動が使えなくなります。

よりストリクトに三角筋前部に効かせたい方はぜひ試してみてください。

6-6.ケーブルフロントレイズ

最後に紹介するのが、ケーブルマシンを使用したフロントレイズです。

ケーブルを使用することで、より三角筋前部へとテンションをかけ続けられます。

また、ストレートバーやロープなどアタッチメントも豊富なため、目的に合わせた選択が可能です。

ケーブルフロントレイズを行う際は、低重量で丁寧に動作を行うことを心がけましょう。

7.まとめ

今回は三角筋前部の筋肥大に効果的なフロントレイズの解説をしてきました。

フロントレイズは動作が簡単なため、トレーニング初心者の方にもオススメな種目です。

また、種目バリエーションが豊富でグリップを変えることによりさまざまな角度から刺激を与えることができます。

今回紹介したフロントレイズを試し、大きく発達した肩を手に入れましょう!

参考文献

1)  Low-Load Bench Press Training to Fatigue Results in Muscle Hypertrophy Similar to High-Load Bench Press Training International Journal of Clinical Medicine 4 (2): 114-121 2013 Feb

 

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