トレーニングをする前におさえておきたい効果的なトレーニングのための4つのポイントとメニューの作り方

近頃、大殿筋のトレーニングをする人の数は増えてきています。ただ、明確なビジョンを持って大殿筋のトレーニングをしている人はそれほど多くありません。

この記事では大殿筋の起始・停止、はたらき、効果的なトレーニングを行うためのポイント、おすすめのトレーニング種目を紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

1.鍛える前に知っておきたい大殿筋の基本情報

大殿筋の構造やはたらきを理解しておくことで大殿筋のトレーニングの質は格段に上がります。

1ー1.大殿筋の起始と停止

大殿筋はざっくりいうと骨盤から大腿骨についている殿部の筋肉で、単独の筋肉ではもっとも大きな筋肉です。大殿筋が発達することで張りのあるお尻をつくることができます。

大殿筋は筋肉がおもに骨盤の中央の外側(後殿筋の後方、仙骨の外側、尾骨の外側縁、胸骨筋膜、仙結節靭帯)から始まり(起始)、太ももの骨の上側(腸脛靭帯、大腿骨殿筋粗面)で終わります(停止)。

大殿筋は大きく分けて上部と下部があり、股関節よりも上側にある大殿筋上部は大殿筋全体のボリュームを出すのに必要な部分で脚を外側に広げる動き(股関節の外転動作)に作用します。それに対し、股関節よりも下にある大殿筋下部は脚と殿部の境目を強調するのに必要な部分で脚を内側に狭める動き(股関節の内転動作)に作用します。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/17/0/17_17-A05/_pdf/-char/en

ここでは、ヒップスラストやブルガリアンスクワットではおもに大殿筋下部に、ワイドスタンスでのスクワットでは大殿筋上部に刺激が入りやすくなると理解しておきましょう。

1ー2.大殿筋のはたらき

大殿筋は股関節を動かすはたらきを持っています。大殿筋のはたらきにより脚を後ろに引いたり(股関節の伸展)、脚を外側に広げたり(股関節の外転)することができます。大殿筋を鍛えるときはこのはたらきを利用して行うと効果的なトレーニングができるようになります。

2.大殿筋を発達させるための4つのポイント

ここでは、大殿筋を発達させるためのポイントについて解説します。

2ー1.腰を丸めない

大殿筋を発達させるためにおさえておきたいひとつ目のポイントは腰を丸めないことです。腰を丸めてしまうと大殿筋をストレッチさせるのが難しくなります。大殿筋は筋肉をストレッチさせてから収縮させることで強い刺激が入る筋肉なので、大殿筋を発達させたいのであれば動作中は常に腰を丸めないようにしましょう。

また、腰を丸めて動作を行ってしまうと腰へのストレスが大きくなってしまいます。怪我を予防するという観点からも腰を丸めないようにしましょう。

2ー2.股関節を大きく使う

大殿筋を発達させるためには、股関節を大きく使う必要があります。特にブルガリアンスクワットやスクワットの場合、身体を横から見たときに胴体と太ももとの角度が30~45度になるまでしゃがまないと大殿筋への刺激は弱いものになってしまいます。大殿筋を発達させたいのであれば股関節を大きく使うようにしましょう。

2ー3.殿部に力を入れる感覚を養う

大殿筋のトレーニングを行う際、殿部に力を入れる感覚があるのとないのとでは大殿筋への刺激は大きく変わります。殿部に力を入れたまま動作を行うことで大殿筋に刺激を優先的に与えることができるようになります。効果的な大殿筋のトレーニングのために殿部に力を入れる感覚を養いましょう。

殿部に力を入れる感覚は最初のうちは肛門を強く締めることからはじめましょう。肛門を強く締めることが瞬時にできるようになると自ずと片方だけの殿部に力を入れるスキルが身に付くようになります。殿部に力を入れたまま大殿筋のトレーニングを行うことで大殿筋への刺激をより強くすることができます。

殿部に力を入れやすくするための準備運動でシェルエクササイズというものがあります。シェルエクササイズを10~20回行うことで殿部に力を入れやすくなりトレーニング動作も安定しやすくなります。方法は以下のとおりです。

  1. 横になって下側の脚の上にもう片方の脚を乗せる
  2. 股関節と膝と足首を90度にする
  3. 足の側面はつけたまま膝の開閉を行う

私はスクワットを行う前はトレーニング時間があまり捻出できないときでも毎回シェルエクササイズをするようにしています。シェルエクササイズを行うことで大殿筋への刺激が強くなっているのを感じています。また、安定したスクワットができるようになるのでシェルエクササイズはおすすめの準備運動です。

2ー4.大殿筋を上部と下部で分けて考える

大殿筋を鍛えるときは、大胸筋を鍛えるときと同じように上部と下部に分けて考えると明確なイメージを掴むことができます。大殿筋上部は殿部の全体的なボリュームを出すために必要な部分で、大殿筋下部は脚と殿部の境目を強調するための部分という形で理解してトレーニングを行うようにしましょう。

3.大殿筋を発達させるのにおすすめの種目

ここからは大殿筋を発達させるのにおすすめの種目を紹介します。

3ー1.ワイドスタンススクワット

ワイドスタンスで行うスクワットでも大殿筋を鍛えることができます。ワイドスタンススクワットではスタンスを肩幅の1.5倍程度に広げることで他のトレーニング方法では刺激しづらい大殿筋の上部に刺激を与えることができます。

また、スクワットをローバーで行うことで股関節を曲げる角度が大きくなるので大殿筋への刺激をさらに強くすることができます。ワイドスタンスでのローバースクワットは大殿筋のボリュームを出すためには欠かすことができない種目です。方法は以下のとおりです。

  1. ラックとセイフティーをセットする
  2. 息を吸い込んで肩甲骨の真ん中で担ぐ
  3. 3~5歩で肩幅の1.5倍ほどのスタンスで構える
  4. 息を吸い込んで腰を後方に引きながらしゃがむ
  5. 股関節が膝よりも低くなったら動作を切り返す
  6. 立ち上がったら再度息を吸い込んでしゃがむ

ワイドスタンスのローバースクワットのコツは足の親指で床を強く押すことです。足の親指で床を強く押すことで内転筋群が活性化されて膝が内側にヨレるを防ぎ、怪我のリスクを下げることができます。また、膝が内側に寄ると上体が起き股関節を上手く使うことができなくなるので、殿部への負荷を大きくするためにも足の親指で床を押すようにしましょう。

フォームに関する詳しい説明はスクワットの記事を参考にしてみてください。

バーベルスクワットのメリットと効果・やり方について詳しく解説!
今回はバーベルスクワットのトレーニングの仕方を詳しく取り上げました。どうやったら安全かつ効果的にできるのか?また、どんな効果があるのか?などの疑問を解決いたします。ぜひ正しいやり方を知って、日々のトレーニングに取り入れてみてください。

スクワットは最初のうちは10回3セットを目安にして行いましょう。慣れてきたら使用重量を上げていき、呼吸が苦しくなる重量まで来たら1セットの回数を5回にしてその分セット数を5セットに増やしましょう。呼吸が苦しくなることで上体の前傾が大きくなり過ぎることがあります。上体の前傾が大きくなり過ぎると腰を痛めやすくなるので、腰の怪我のリスクを抑えるために回数を減らして行うようにしましょう。

3ー2.ヒップスラスト

ヒップスラストは大殿筋を鍛えることに特化した種目です。ヒップスラストは動作自体も簡単な種目なうえに高重量が扱うことができ、大殿筋へ強烈な刺激を与えることができる種目です。ヒップスラストは大殿筋を発達させたい人には必須の種目です。ヒップスラストでは脚と殿部の境目を強調するのに必要な大殿筋下部を発達させることができる種目です。方法は以下のとおりです。

  1. 肩甲骨よりも下側の部分をベンチにつけてバーベルの下に脚をくぐらせる
  2. 骨盤のくぼみの上にバーベルを乗せて踏ん張りやすいところに足を置く
  3. 殿部に力を入れて骨盤をバーベルごと持ち上げる

ヒップスラストのコツは脛が床と垂直になるところに足を置くことです。そうすることでヒップスラストの軌道が安定して大殿筋に刺激を与えることに集中することができます。また、足首を返すような動きをしてしまうと脛やふくらはぎに余計な刺激が入るので、踵よりの重心で行うようにしましょう。

詳しくはヒップスラストの記事を参考にしてみてください。

おさえておくべきヒップスラストの基本と効果的に行う3つのポイント
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また、ヒップスラストは高重量で行うことができる種目です。まずは10回を3セット行い、慣れてきたらセット数を増やすようにしましょう。ヒップスラストはフォームが崩れる可能性は極めて低いので、少ない回数で行うよりも10回ほどの高回数で行い、セットを増やしていくことで大殿筋への刺激を増やしていくようにしましょう。

3ー3.ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは自体重のみで大殿筋下部に強い刺激を与えることができることが大きな特徴で、大殿筋を鍛える〆の種目として優秀な種目です。なぜなら、ブルガリアンスクワットは片脚ずつ行うので股関節の動きに集中しやすくなるので追い込みに適しているからです。ブルガリアンスクワットではおもに大殿筋の下部を鍛えることができます。方法は以下のとおりです。

  1. ベンチの上に足を乗せた状態でつま先を正面に向けて立つ
  2. 股関節を後ろに引きながら上体を前傾させながらしゃがむ
  3. 太ももと上体の角度が30度になったら動作を切り返す
  4. 足で床を押して膝と股関節と頭を一直線にする

ブルガリアンスクワットのコツは鍛える側の脚の膝から下を動かさないことです。股関節を曲げることに集中することで大殿筋への刺激を強くすることができます。殿部に力を入れたまま足の親指で床を強く押した状態でブルガリアンスクワットを行うと動作がブレずに行うことができるのでおすすめです。

詳しくはブルガリアンスクワットの記事を参考にしてみてください。

ブルガリアンスクワットの理想的な動作と効果的に行うためのポイント
実はブルガリアンスクワットという種目は目的を明確にしないと効果が半減してしまう恐れがある種目。この記事では、目的に合ったブルガリアンスクワットの理想的な動作や鍛えることができる部位、効果、さらに効果的に行うためのポイントを紹介しています。

ブルガリアンスクワットは自重で行う種目なので、最初は10回を3セットずつで慣れてきたら回数を増やしていくようにしましょう。ブルガリアンスクワットは片脚ずつ鍛える種目なのでセット数を増やすと時間がかかり過ぎて集中力の低下を招くことが多いので、1セットの回数を多くすることで対応するようにしましょう。

また、3種目めのブルガリアンスクワットで4セット以上できそうであれば、前の2種目のボリュームを見直す必要があります。もし、大殿筋に焦点をあてたトレーニングをしているのであれば、前の2種目で大殿筋にかなりの刺激を与えることができているはずだからです。ブルガリアンスクワットは〆として行うようにしましょう。

4.大殿筋のトレーニングのメニュー例

ここからは、大殿筋に焦点をあてたトレーニングのメニュー例を紹介します。

・シェルエクササイズ 20回1セット
ワイドスタンススクワット 8RM 5回5セット
・ヒップスラスト 10RM 10回 3~5セット
・ブルガリアンスクワット 10回3セットずつ

最初にシェルエクササイズを準備運動として行います。そうすることで殿部に力が入りやすくなりこれからの大殿筋のトレーニングをより効果的に行うことができます。

次に行うのがワイドスタンスでのスクワットです。ワイドスタンスのスクワットは股関節が膝よりも下になるぐらい深くしゃがめるような重量で行いましょう。あえてコントロールしやすい重量で行うことでバランスを崩しやすいワイドスタンスでのスクワットに対応することができます。

スクワットの次のヒップスラストで大殿筋の下部に刺激を与えて最後にブルガリアンスクワットで追い込むようにしましょう。

まとめ

大殿筋のトレーニングは股関節を正しく大きく使い、大殿筋を上部と下部に分けるイメージを持って行うことで効果的なトレーニングができるようになります。

また、大殿筋を収縮させる感覚が掴めるようになると大殿筋の発達速度はぐんと速くなります。ぜひ、がんばってみてください。応援しています。

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