最低限おさえておきたいHIITの基本情報と適切な頻度、プロトコルのバリエーションと3つのポイント

HIIT 全身

「HIITってなに?」「HIITってどんな効果があるの?」「HIITで脂肪が落とせるの?」

知っているようでなかなか知らないのがHIITだと思います。

そこで疑問を解消するために、この記事ではHIITの基本情報と適切な頻度、プロトコルのバリエーション、手段、効果的に行うための3つのポイントを紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

1. HIITの基本情報

HIIT

HIITは「High Intensity Interval Training」の頭文字をとった言葉で高強度インターバルトレーニングのことを指す単語です。HIITは通常のインターバルトレーニングとは休憩があることでは同じですが、トレーニングの場面を全力で行う点で通常のインターバルトレーニングとは異なります。ここでは、HIITの基本情報を解説します。

1-1. 有酸素運動能力と無酸素運動能力の両方を向上させることができる

HIITを行うことで有酸素運動能力と無酸素運動能力の両方を向上させることができます。(1)HIITを継続的に行うことで最大酸素摂取量と無酸素性作業閾値の値が大きくなります。

最大酸素摂取量は有酸素運動の能力を示す値なので値が大きくなることで有酸素運動能力が向上していることを表します。ざっくりいうと一度に酸素を吸う量が増えるので息切れがしにくくなります。

無酸素性作業閾値は無酸素運動の能力を示す値なので値が大きくなることで無酸素運動能力が向上していることを表します。HIITを行うので一度に酸素を吸う量が増えるので無呼吸の時間が少なくなり乳酸が溜まりにくくなります。そうなることで激しい運動でも長時間動くことができるようになります。

HIITを継続的に行うことで息切れしにくくなり、激しい運動でも長時間動くことができるようになります。

1-2. HIITは基本的には時短で減量ができるがタバタ式では減量はできない

HIITは基本的には通常の有酸素運動よりも時短で減量ができます。

30秒ダッシュした後に4分間の休憩を挟んだセットを4〜6セット行ったグループと最大心拍数の65%のジョギングを30〜60分行ったグループが週3回のトレーニングを6週間続けた結果、ダッシュを行なったグループのほうが減量幅が大きかったという研究結果が出ています。(2)

HIITのほうがトレーニング時間が短いのにも関わらず減量幅が大きいので、基本的にはHIITは減量に向いているといえます。ただ、HIITの中にタバタ式というものがあるのですが、タバタ式はあまりにもトレーニング時間が短すぎる(4分)のでカロリー消費が少なく減量には向きません。

HIITで減量したいのであればタバタ式以外のものを選ぶようにしましょう。

1-3. 全力で取り組むことで効果を発揮する

HIITは全力で取り組むことで効果を発揮するトレーニング方法です。HIITでは全てのエネルギー機構を使って行うことで有酸素運動能力と無酸素運動能力を高めるトレーニング方法です。HIITを7割程度の力で行なってしまうと一番強い力が出るエネルギー機構が使われなくなってしまい通常の有酸素運動と変わらなくなってしまいます。

HIITでは全てのエネルギー機構を使って行きたいので必ず全力で取り組むようにしましょう。

1-4. バリエーションが豊富で退屈せずに取り組むことができる

HIITの特徴の1つにバリエーションが豊富で退屈せずに取り組むことができるという点が挙げられます。通常の有酸素運動ではすぐに飽きてしまうことが多いですが、HIITだとツールがたくさん用意できるので飽きることなく続けることができます。

また、HIITはキツいので飽きたとか退屈だとか行っているヒマがありません。通常の有酸素運動ではどうしても飽きてしまう人はHIITがおすすめです。

2. HIIT vs 有酸素運動

HIIT

HIITはその効果から有酸素運動とよく比較されます。ここでは減量の面からHIITと有酸素運動との比較をしていきます。

2-1. 時間効率の面ではHIITの勝ち

時間効率の面でHIITと有酸素運動を比較すると断然HIITのほうが効率的です。それは1-2で紹介している論文を見ても明らかです。この論文で行なっているのは比較的HIITの中でも行いやすいものなので時間の制約があって60分も有酸素運動ができない人はHIITを行うようにしましょう。実際に私も時間が取れないときなどはHIITを行うようにしています。

2-2. 疲労度について考えると断然有酸素運動の勝ち

疲労度について考えると断然有酸素運動のほうが勝ります。HIITは1回行うだけで全身に疲労が溜まります。もっともやさしめのHIITのプロトコルであるFartlek式でも終わった後はだるさが少し残ります。ウエイトトレーニング以外で疲労を溜めたくない人は有酸素運動を選択したほうがいいでしょう。

普段HIITをしていても、時間があってこれ以上疲労を溜めたくないときは私は有酸素運動を選ぶようにしています。ウエイトトレーニング以外で疲労を溜めたくない人は有酸素運動一本に絞るのがいいでしょう。

2-3. HIITのほうが筋肉の減少をおさえることができるかも

減量を目的としたとき、HIITのほうが筋肉の減少を抑えることができるかもしれません。2001年の研究で更年期を迎える前の肥満の女性を対象とした研究(3)で、トレーニングの頻度とカロリーを揃えた状態でのHIITと有酸素運動を比較した結果、HIITのほうが除脂肪体重を残すことができたという結果が出ています。

この結果は限定的な条件での結果で通常の体型の人でも同じ結果が出るかはわかりませんが、今の所はHIITのほうが筋肉を残したまま減量することができる可能性が大きいといえます。

3. HIITの適切な頻度

頻度

HIITの適切な頻度は減量期か増量期かによって大きく変わります。ここではHIITの適切な頻度について場面ごとに解説します。

3-1. 減量期は毎日行う

減量期のときはHIITは毎日行うのが理想です。HIITで短時間でカロリー消費を行うことで減量期での時間での負担を減らすことができます。減量期は有酸素運動の時間捻出がネックになることが多いと思うのでHIITで時短を行いましょう。

HIITの分野で最も売れているJames Driver著の「HIIT EXPLAINED」でも減量期は毎日行うのが理想と謳っています。

3-2. 増量期も週1回は行ったほうがいい

増量期でもHIITは週1回行うようにしましょう。増量期はどうしても有酸素運動をカットしてしまいがちです。有酸素運動を2週間全く行わないと酸素を取り込むことができる量が格段に下がってしまいます。酸素を取り込むことができる量が下がり続けるとすぐに疲れてしまう身体になってしまいます。

そうなるとウエイトトレーニングにも支障が出てしまうのでHIITは週1回は行うようにしましょう。ただ、HIITの頻度が多すぎるとカロリー消費が大きくなります。そうなると余分に食事を取らないといけなくなるのでHIITの頻度は最高でも週1回がベストです。

4. HIITのプロトコル(手順)のバリエーション

時間

HIITでは基本的にはプロトコル(手順)をもとに30分以内に収まるようなメニューを作ります。ここでは、HIITのバリエーションを紹介します。

4-1. Fartlek式

Fartlek式はHIIT初心者の人におすすめのプロトコルです。Fartlek式は10〜30秒全力で動き次のセットも全力で行うことができるまで休憩するという方法なので他のHIITの方法に比べ取り組みやすいのが特徴です。HIIT初心者の人はFartlek式でHIITに慣れるようにしましょう。

4-2. タバタ(田畑)式

タバタ(田畑)式は時間制限のあるプロトコルです。タバタ式は20秒全力で動いて10秒休憩というサイクルを8サイクル行うことで有酸素運動能力と無酸素運動能力の両方を鍛えることができるプロトコルです。4分で終わるということで世界中から注目されているトレーニング方法です。

ただ、トレーニング時間が短すぎるので全体のカロリー消費量が少なく減量には向きません。タバタ式は体力をつけたい人におすすめのプロトコルです。

4-3. カスタマイズする方法

Fartlek式で慣れてきたら次は全力を出す秒数と休憩する秒数とセット数を自分で決めて行う方法を取り入れましょう。最初は20秒全力で出して休憩を3分に設定して8セット行い、慣れてきたら休憩時間を減らしてセット数を増やしていくというような形で強度を高めていきます。以下のような形でカスタマイズしてみましょう。

高強度の運動
(秒数)
休憩
(秒数)
セット数
201808
201708
201608
201509

5. おすすめのHIITの手段

HIIT

HIITは時短で減量ができることだけでなく手段のバリエーションも豊富なことも大きな特徴です。ここでは、私がおすすめするHIITの手段を紹介します。

5-1. どこでもできるランニング

ランニングはもっとも人気のあるHIITの手段です。ランニングは靴さえあればどこでもできるので特におすすめです。ランニングでHIITを行うときは屋外が理想です。反対にトレッドミルはペースを調節するのに時間のズレがどうしても生まれてしまうのでできるだけ屋外で行うようにしましょう。

また、屋外だと木と木の間や電柱と電柱の間といった形で気軽にコース設定ができることも大きな特徴です。スタートとゴールが明確だと全力を出しやすいのであらかじめ目印を見つけておくようにしましょう。

5-2. 歩幅の調節がいらない階段登り

階段登りもおすすめのHIITの手段です。階段登りは「登り切るまで」という形で頑張りやすい点と、階段だと歩幅の調節がいらない点でおすすめです。休憩のときは階段を降りればいいだけなのでオン・オフの入れ替えがわかりやすいのでもおすすめなので試してみましょう。

5-3. 屋内でもできるケトルベル

ケトルベルもおすすめのHIITの手段です。ケトルベルを使うことで上半身の筋肉も使うことができる点で上の2つとは違います。ケトルベルは1畳ぶんあればできるので自宅でもHIITを行うことができます。男性であれば16kg、女性であれば8kgのケトルベルが1つあれば十分なのでランニングシューズを買うお金さえあれば買うことができます。

また、ケトルベルは種目が何種類もあるので飽きが来にくい点もメリットです。スイングやスラスター、クリーン&プレス、スナッチなど全身を使って行うので減量にはもってこいです。回数ではなく20秒で何回できるかを目標にして頑張りましょう。20秒で音がなるタイマーを使って行いましょう。

ケトルベルスイング

Kettlebell Swing

ケトルベルスイングはケトルベルを振り子のように振ることで身体の裏側全体を使うことができる種目です。ケトルベルスイングは身体のここだけがキツいということが起こりにくい種目なのでHIITに向いています。動作も覚えやすいのでおすすめです。方法は以下のとおりです。

①足を腰幅に広げケトルベルを足と足との真中に置く
②背筋を伸ばし股関節を後ろに引いた状態で両手でハンドルを握る
③胸を張り腕を伸ばした状態で一度ケトルベルを引いてから股関節を爆発的に前に押し出す
④腕の力を使わずにみぞおちの高さまでケトルベルを浮かせる
⑤股関節を後ろに引きながらケトルベルを股の下に引く
⑥セットが終わったら足と足との間に丁寧に置く

ケトルベルスイングは速さを調節することで強度を変えることができます。より速く行うことで強度を高くすることができます。

ケトルベルスラスター

Kettlebell Goblet Thruster

ケトルベルスラスターは胸に抱えたケトルベルを膝を使いながら頭上に押し上げることで身体の前側全体を使うことができる種目です。ケトルベルスラスターは回数を多くすることで強度を高くすることができます。方法は以下のとおりです。

①ケトルベルのハンドルの横を持ち胸の前で抱える
②ケトルベルを抱えたまま膝を90度曲げる
③膝を伸ばして一気にケトルベルを頭上に持ち上げる
④腕を曲げてケトルベルを胸の前に抱える
⑤セットが終わったら股関節を後ろに引いてケトルベルを下ろす

6. HIITを効果的に行うための3つのポイント

HIIT

HIITを効果的に行うためのポイントを3つ紹介します。

6-1. あらかじめメニューを作成しておく

HIITを効果的に行いたいのであれば、あらかじめメニューを作成しておくようにしましょう。メニューを作っておくことで集中してHIITに取り組むことができるようになります。少なくとも何秒動いて何秒休憩するか、それを何セット行うかは決めておきましょう。

6-2. 実際に行ったメニューを記録をする

HIITを行った後は実際に行ったメニューを記録するようにしましょう。HIITは常に更新していくことで効果を高めることができるトレーニング方法です。実際行ってみて、もう少し頑張れる、反対に休憩が少ないといったことを記録しておくことで時間のHIITのセッションがより良いものになっていきます。

また、様々なバリエーションのHIITを行うことでバリエーションごとのメニューの細かい内容を忘れてしまうことがあります。そういったときに記録してあると次のHIITのメニューが組みやすくなります。これはウエイトトレーニングでも同じことが言えると思います。

6-3. メニューを発展させる

HIITを効果的に行いたいのであれば、メニューを発展させるようにしましょう。常に同じ秒数頑張り同じ秒数休憩するメニューばかりをしていては身体が慣れてしまいます。休憩を短くしたり強度を強めたりしてメニューを発展させるようにしましょう。

まとめ

HIITは有酸素運動能力と無酸素運動能力を向上させるだけでなく、プロトコルによっては脂肪燃焼効果もあるボディメイクには欠かせないトレーニング方法です。HIITは何秒にアレをしてコレをしてというイメージが先行して取り組むのに抵抗がある人も多いのではないでしょうか。

秒数で区切らないタイプのHIITの方法があるというだけで取り組みやすくなった人もいると思います。HIITを使ってボディメイクをより効率よく行っていきましょう。応援しています。

参考文献

(1)Talanian JL1, Galloway SD, Heigenhauser GJ, Bonen A, Spriet LL. Two weeks of high-intensity aerobic interval training increases the capacity for fat oxidation during exercise in women.J Appl Physiol (1985). 2007 Apr;102(4):1439-47. Epub 2006 Dec 14.

(2)Macpherson RE1, Hazell TJ, Olver TD, Paterson DH, Lemon PW. Run sprint interval training improves aerobic performance but not maximal cardiac output.Med Sci Sports Exerc. 2011 Jan;43(1):115-22. doi: 10.1249/MSS.0b013e3181e5eacd.

(3)king JW,et al. A Comparison of the Effects of Interval Training vs. Continuous Training on Weight Composition in Obese Pre-Menopausal Women. 2001 A Thesis Presented to the Faculty of the Department of Physical Education,Exercise, and Sports Sciences East Tennessee State University.

James Driver. HIIT Explained. CreateSpace Independent Publishing Platform 2012 May 7

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