トライセプスキックバックをダンベルで効果的に行うには?メリットやポイントを徹底解説!

トライセプスキックバックは、腕でキックバックするような動作を行うことで上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。

このトライセプスキックバックの他にも、スカルクラッシャーや、ライイングトライセプスエクステンションといった種目もあります。

本記事ではこのトライセプスキックバックについて解説します。

1. トライセプスキックバックとは

1-1.トライセプスキックバックとは、腕でキックバックするような動作でトレーニングを行う種目です。

トライセプスとは、上腕三頭筋の事で、トライセプスキックバックは上腕三頭筋のトレーニングの1つです。

1-2.トライセプスキックバックは上腕三頭筋長頭をピンポイントで鍛えるアイソレーション種目

トライセプスキックバックは、上腕三頭筋長頭をピンポイントで鍛えるアイソレーション種目です。

その他の上腕三頭筋長頭を鍛える種目としては、ハンマーダンベルプレス、ライイングトライセプスエクステンション、スカルクラッシャーといった種目があります。

ハンマーダンベルプレスとトライセプスキックバックの違いとしては、コンパウンド種目とアイソレーション種目という点において異なります。

ハンマーダンベルプレスは、肘関節だけではなく肩関節も用いて行うコンパウンド種目であるため、高重量を取り扱うことが出来ます。しかしながら、コンパウンド種目の場合には、上腕三頭筋長頭にピンポイントで刺激を入れることは出来ません。

一方でトライセプスキックバックはアイソレーション種目であるため、上腕三頭筋長頭にピンポイントで刺激を入れることが出来ます

一般的にはコンパウンド種目を行ってからアイソレーション種目を行う必要があるため、優先順位としては、ハンマーダンベルプレスの方が高いです。

1-3.トライセプスキックバックは収縮時に強い刺激が入る

ライイングトライセプスエクステンションやスカルクラッシャーとトライセプスキックバックの違いとしては、POF法(Position of  Flexion)におけるストレッチ種目とコントラクト種目という点において異なります。

ライイングトライセプスエクステンションやスカルクラッシャーは、ストレッチをかけることで鍛えるトレーニング種目です。一方でトライセプスキックバックでは、収縮を意識しやすいためコントラクト種目にあたります。

つまり、上腕三頭筋への刺激の入り方が異なります。収縮を意識した刺激をピンポイントで入れたいのであれば、トライセプスキックバックはおすすめの種目です。

また、収縮感を得やすいため筋力が弱い人などは上腕三頭筋長頭の収縮を得るには良いです。

Jeffery1)のTABLE1. TABLE2.より改変引用

1-4.上腕三頭筋のトレーニング初心者はライイングトライセプスエクステンションやスカルクラッシャーを行いましょう。

上腕三頭筋をあまりトレーニングした事が無い人は、トライセプスキックバックよりもライイングトライセプスエクステンションやスカルクラッシャーを行いましょう。

なぜならば、上腕三頭筋のトレーニング初期段階においては、ストレッチを効かせた種目のほうが収縮を効かせた種目よりもトレーニング効果があるためです。

Jeffery1)の研究結果では、2つのグループに分けて伸張性の収縮と短縮性の収縮のトレーニングを行った結果としてトレーニング初期段階において、伸張性の収縮のほうが短縮性の収縮を効かせるよりもトレーニング効果が大きかったことが認められたことを報告しています。

つまり、上腕三頭筋のトレーニング初期段階においては、ストレッチ(伸張性の収縮)をかけた種目であるライイングトライセプスエクステンションやスカルクラッシャーのほうがトライセプスキックバックよりも効果的に上腕三頭筋を鍛えることが出来るのです。

ただし、トレーニング初期である19日間だけ効果が認められており、それ以降はどちらにおいても変化はないため、19日目以降は刺激の入れ方を変える意味でトライセプスキックバックを行うのが良いです。

2.上腕三頭筋について

トライセプスキックバックによって鍛えることのできる上腕三頭筋については下記の通りです。

2-1.上腕三頭筋長頭は肩関節の伸展動作にも関与する

上腕三頭筋はその名の通り3つの筋肉によって構成されており、上腕三頭筋内側頭・外側頭・長頭といった解剖学的な名称があります。

この中でもトライセプスキックバックで鍛えることの出来る上腕三頭筋長頭は、肩甲骨から橈骨に付着している二関節筋で解剖学的には肘関節の伸展動作だけではなく、肩関節を伸展させる動作にも関与します。

岡本他2)の研究結果では、肘を伸ばした状態で肩関節を伸展させる動作はもちろんのこと、肘を90度に曲げた状態で肩関節を伸展した場合にも、常に上腕三頭筋の筋放電が起こっていたことを報告しています。

つまり、上腕三頭筋長頭は、肩関節の伸展動作にも影響します

2-2.上腕三頭筋長頭は押す動作(プレス動作)に役立つ

上腕三頭筋長頭を鍛えるメリットとしては、押す動作(プレス動作)に役立つことです。

先にも述べた通り、上腕三頭筋長頭は肩関節の伸展動作に関与します。このことから、メリットとしてはプレス動作に役に立つということです。

プレス動作は、ベンチプレスなどの種目において重要であるため、上腕三頭筋長頭をトレーニングすることによって、ベンチプレスの取り扱える重量が重くなることがメリットです。

3.トライセプスキックバックのやり方

トライセプスキックバックの具体的な方法としては下記の通りです。

3-1.片手片足をベンチにつく

トライセプスキックバックのスタンダードな方法としては、片手片足をベンチについて行います。

手足のホームポジションとしては、ワンハンドローイングなどと同じような形です。

片手片足をベンチにつき、胸を張り出尻を作ります。ただし、ワンハンドローイングとは鍛える部位が異なるため、腕以外の体勢にはあまりこだわらなくても良いです。

3-2.上腕を床に対して平行にし肘関節を90度にする

トライセプスキックバックで最も重要な手順としては、上腕を床に対して平行にして肘関節を90度にセットすることです。

イメージとしては、レッグエクステンションを腕でやるようなイメージだと分かりやすいです。

床に対して上腕を平行にすることは、動作の途中でも必ず守るべきポイントです。

3-3.肘を固定した状態で前腕を後ろへ伸ばす

トライセプスキックバックでは、肘を固定した状態で前腕を後ろへ伸ばします。

この時に肘を動かさないことを意識するのがポイントです。

3-4.肘関節が90度になるまで戻し繰り返し動作を行う

肘を伸ばし切ったら。肘関節を90度になるまで戻し繰り返し動作を行います。

4.トライセプスキックバックの4つのポイント

トライセプスキックバックのポイントは下記の4つです。

4-1.上腕を床と平行にし肘関節を固定すること

トライセプスキックバックでは、上腕を床と平行にし肘関節を固定することが重要です。なぜならば、上腕を床と平行にすることによって、負荷が上腕三頭筋にかかります。上腕が斜めになってしまうと、負荷が弱まったり他の部位に負荷がかかってしまうためです。

ただし、チーティングを用いて少し勢いをつけて行うのは、上腕三頭筋長頭を鍛える上では効果的な方法です。なぜならば、上腕三頭筋長頭は肩関節の伸展動作に関与しているため、肘関節の伸展動作に加えてさらに負荷をかける事が出来るのです。

4-2.肘を伸ばし切ること

トライセプスキックバックにおいては肘を伸ばし切る事が非常に重要です。

なぜならば、トライセプスキックバックは短縮性収縮を目的とした種目であり、上腕三頭筋を最大限短縮させるためには肘を伸ばし切る必要があるためです。

トライセプスキックバックでは、肘を伸ばし切る事を意識しましょう。

4-3-.肘関節を90度以下になるまで曲げないこと

トライセプスキックバックでは、肘関節を90度以下にならないようにしましょう。90度以下の肘関節の角度になってしまうと、上腕三頭筋の負荷が抜けてしまうためです。

4-4.ダンベルの端を持つと手首に安全

ダンベルを持った時に、ダンベルの真ん中を持つよりもダンベルの外側を持つと、ダンベルの重りを手に載せて行うことが出来るため、安全性が高くなります。

5.トライセプスキックバックのバリエーション

トライセプスキックバックには下記のようなバリエーションがあります。

5-1.ダンベル・ベントオーバー・トライセプスキックバック

トライセプスキックバックはベンチを使わずに行うことも出来ます。

やり方としては下記のような手順を踏むと良いでしょう。

  1. 両手にダンベルを持ち肩幅程度のスタンスをとる
  2. 体を45度程度前傾させ胸を張り背筋を伸ばす
  3. 両腕の上腕が床と平行になるようにし前腕は床に対して垂直にする
  4. 肘を固定し上腕三頭筋を収縮させる
  5. 腕の角度が90度以下になる前まで戻し動作を繰り返す

ダンベル・ベントオーバー・トライセプスキックバックは、両手を同時に行うため片方ずつ行う手間が省けますが、腰への負担は大きくなるため注意が必要です。また、手足で体幹を支持しないので、その他の筋肉に刺激が逃げやすいという点も抑えておくべきポイントです。

5-2.ケーブル・トライセプスキックバック

トライセプスキックバックはケーブルを用いても行うことが出来ます。やり方は下記の通りです。

  1. ケーブルを持ち背中を床と平行にする
  2. 脇を締めて上腕が床と平行になるようにし肘を固定する
  3. 上腕三頭筋を収縮させて肘を伸ばし切る
  4. 元に戻す

ケーブルの場合はダンベルとは異なり、常に負荷がかかります。そのため、肘の角度が90度以下になっても上腕三頭筋に刺激を入れることができます。

ただし、刺激の大きさとしてはそこまで大きくないのと、姿勢によって腰への負担は大きくなるため、ケーブル・トライセプスキックバックも腰が弱い人は避けたほうが良いです。

まとめ

トライセプスキックバックは上腕三頭筋を収縮させることでトレーニングを行います。上腕三頭筋種目でも、アイソレーション種目で短縮性の収縮の刺激を入れるためにはトライセプスキックバックは有効なトレーニングです。

トライセプスキックバックで鍛えることの出来る上腕三頭筋は、肘関節の伸展動作だけではなく肩関節の伸展動作にも関与しています。そのため、ベンチプレスの挙上重量を上げるといったことに影響します。

トライセプスキックバックのやり方やポイント、バリエーションなどを押さえて本記事を参考にトライセプスキックバックに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

1)Jeffery S. Mannheimer(1969).A Comparison of Strength Gain between Concentric and Eccentric Contractions,Physical Therapy, 49(11):1201-1207.

2)岡本勉,高木公三郎,熊本水頼(1966).上肢の伸展動作の筋電図学的研究 体力科学15(1):37-42.

 

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